「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」に対する付帯決議の一部を、本則に盛り込むことを求める意見書

2019年4月より施行された「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」は、全国の住民から一人1,000円を2024年から徴収する森林環境税約620億円を、前倒しして森林環境譲与税として全国の自治体に交付し、森林整備とその促進のために充てるという内容であり、2018年5月に成立した「森林経営管理法」の財源として位置づけられている。

しかるに、森林経営管理法では、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るため、林業経営の効率化・集約化に重点が置かれ、森林の持つ環境的側面、すなわち「生物多様性の保全、水源涵養、CO2削減、山崩れ防止」などといった多面的機能は蚊帳の外に置かれている。

これは、森林環境税という名称とは著しく乖離し、森林環境税本来の目的が失われているとして、法案成立過程から大きな批判を浴びてきた。

そのため、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が衆議院本会議で可決される際に、異例の15項目もの付帯決議がつくこととなった。15項目のうち、最後の4項目が、「森林環境譲与税で、放置された人工林の広葉樹林化に取り組むこと」とする内容である。

戦後、木材需要の急増で、日本中の山に人工的な針葉樹林が作られ、全国の森林の約4割を占めるまでになった。その後、海外産の安価な木材に押され、国産木材の需要が劇的に下降していった結果、現在では至るところで伐採もされず、放置され荒廃した人工林が残された。これら人工林は花粉症をもたらし、荒れた土壌は森林本来の保水力を弱め、鉄砲水や土砂崩れのリスクを高めた。これらの放置人工林を伐採し、その地域の植生に合わせてコナラ、ミズナラなどの広葉樹を植林する天然林化こそが、森林の蘇生につながる。生物多様性の保全、水源涵養、山崩れ防止といった森林の重要な機能は、広葉樹林でこそ達成されるのであり、付帯決議の意義は大きい。

しかし、付帯決議は希望意見として表明する決議であり、法律上の効果を伴わない。従って、環境税として国民が最も期待する「森林保全」としての使い道を保障するために、衆議院総務委員会付帯決議12から15の「放置人工林の広葉樹林化に取り組むよう求める」4項目を、本法律の本則に盛り込むことを強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2019年10月10日

内閣総理大臣
総務大臣     あて
農林水産大臣

千葉県議会議長