一方的拡大を進める防衛費の抜本的な見直しを求める意見書

8月30日発表された防衛省「2020年度概算要求」は6年連続での「過去最大」となり、2019年度当初予算比6.3%増の5兆3222億円となった。この間の常套的手法となった「事項要求」も加味すれば、この金額はさらに3000億円程度上積みされることになる。

まず目につくのは本年度予算では見送られた護衛艦「いずも」の空母化改修費31億円である。改修は21年度にもまたがるためさらに金額は増え、同型の「かが」の改修もこれに続く。これに搭載するF35B6機に846億円を計上、これも最終的には42機購入が予定されているため、莫大な税金が投入されることになる。これだけの費用に見合うだけの防衛上の効果があるのか疑問であり、そもそも我が国の防衛の基本である「専守防衛」を大きく逸脱する危険性についても、政府は十全な説明を避け続けてきた。況んや、空自F35B配備前に改修を終えた「いずも」に、米軍の同機種を先行利用させるとの方針を正式に米側に伝えたことは、本件は単なる日米軍事一体化推進のためのものと断じざるをえない。

一方秋田・山口での配備反対の世論が高まっている「イージス・アショア」に関しては、ミサイル発射装置の購入費122億円が計上されているが、配備地の土地造成などの費用は「事項要求」とされている。これまた「地元の同意を得て」との建前の裏での、配備既成事実化を疑わせるものとなっている。調査報告書の誤りが続出した秋田はもとより、配備予定地の住民の意志を蹂躙するものであろう。イージス・アショア導入の必要性についてまず政府は地元住民並びに国民全体に責任説明を果たすべきである。

F35B、イージス・アショア発射装置他、数多くの米国製高額兵器の購入は相変わらず価格の公平性が不透明なFMS(対外有償軍事援助)による「爆買い」であり、支払いも年々積み上がっていく「後年度負担」に頼っている。厳しい財政状況の中、このように防衛費=軍事費を聖域とすることの正当性、憲法9条と日本の安全保障政策との整合性、アジア太平洋地域の総合的安全保障構想との関連性など、安易な増額要求の前に精査・説明すべきことは山積している。

政府・防衛省においては、一方的拡大を進める防衛費の抜本的見直しを強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  
2019年10月10日
内閣総理大臣
防衛大臣
外務大臣
     あて
 
千葉県議会議長