<抗議声明>菅首相による日本学術会議会員「任命拒否」に強く抗議します
菅首相による日本学術会議会員「任命拒否」に強く抗議します
報道されている通り、菅義偉首相は「日本学術会議」の新規会員に推薦された105名のうち、第一部会に属すべき人文社会系の6名の任命を「拒否」しました。学術会議による「推薦」、首相による「任命」という現行制度になってから、このような事態は初めてのことです。
日本学術会議は、10月2日付で「理由の説明」と「6名の速やかな任命」を求める要望書を菅首相に提出したところです。
政権側は現行制度に移行する際の国会答弁(1983年)と完全に矛盾する今回の任命拒否について、「法解釈の変更はない」「人事に関わることなので」と説明を回避しています。6日になって内閣府は「任命拒否」を可能とする事実上の解釈変更の内部文書を公開しましたが、日本学術会議法の法理を踏み外した詭弁としか言いようのない内容です。また菅首相の「学術会議の総合的・俯瞰的活動を確保する観点からの判断」という説明も具体的内容を欠き、意味不明なものです。
任命拒否を受けた6名の研究者たちは、自身の研究経験と個人の良心から安保関連法や共謀罪、辺野古新基地建設に否定的な意見を表明しました。そうした方々に限って任命を拒否したことは、思想と良心の自由への意図的で不当な介入と言わざるをえません。安倍政権以来常態化している、人事を武器にした強権的姿勢を継続する菅政権の姿勢が露わになっています。
私たち市民ネットワークは日本国憲法に保障されている思想・心情及び学問の自由を一方的に脅かす、今回の「任命拒否」に強く抗議します。
2020年10月12日
市民ネットワーク千葉県
共同代表 伊藤とし子 小室美枝子