ロシア連邦によるウクライナ共和国への武力侵攻に抗議し、紛争の平和的な解決に日本政府が全力を尽くすことを求める声明

2月24日、ロシア連邦はウクライナの東部地域に同国軍を侵攻させ、ミサイルも使用した軍事施設や原子力施設、都市部への軍事的攻撃を開始しました。複数の報道によると、すでに多くの犠牲者が発生しているとのことです。

 私たち市民ネットワーク千葉県は、生活する市民の視点から、地域から平和を創る活動を長年にわたって続けてきました。マスコミが伝えるロシア・ウクライナ両政府、そして NATO 各国とロシア政府とのパワーバランスの駆け引きとは無縁な、無辜なる市民、とりわけ子どもたちのいのちが危険にさらされていることに心を痛めます。

 まず第一に、ロシア政府は、国連憲章第2条第4校に明白に違反する現在の軍事侵攻を即刻停止し、軍隊の撤収を行うべきことを強く訴えます。いくらプーチン大統領が NATOの東方拡大や、「独立」を承認した「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」からの要請を引き合いに出しても、市民の生活といのちを奪う軍事侵攻を正当化することは断じてできません。いわんや自国が「核保有国」であることをことさらに強調し威嚇するプーチン大統領の姿勢に対し、唯一の核被爆国である日本の市民として、強く抗議するものです。

 そして NATO の軍事的対抗と、アメリカを中心とする諸国による「制裁措置」に対しても、「武力で平和はつくれない」「制裁に効果がないことは歴史が示している」という観点から、即刻取りやめることを関係各国に求めます。21世紀に入ってからの22年間でも、アフガニスタンとイラクでの歴史と現状がそのことを証明して余りあります。

 従って、私たち市民ネットワーク千葉県は、日本政府が「制裁措置」に大きく加担すること、今回の軍事的緊張状勢を好機とした、軍事優先の安全保障の強化にも反対します。

 国際社会は、国連憲章と国際法に則り、「ミンスク協定」の完全履行をはじめ、平和で中立なウクライナの実現に向けて外交努力に徹するべきです。そのためにも、まずウクライナ市民のいのちと生活を守ることを第一義に、平和憲法を有する日本政府の積極的な働きかけを強く求めるものです。

2022年2月28日

市民ネットワーク千葉県
共同代表 伊藤とし子
岩﨑 明子