〈抗議声明〉陸上自衛隊木更津駐屯地での日米軍事一体化公開への抗議声明

内閣総理大臣
防衛大臣
外務大臣
陸上幕僚長 宛て

 報道によると、6月16日、陸上自衛隊木更津駐屯地では、日本で初めて開催された「太平洋水陸両用指揮官シンポジウム」(PALS22)の最終日のプログラムとして、日米をはじめ英仏豪、フィリピン、カナダ、チリ、韓国等16カ国の軍の指揮官が「水陸両用作戦」に関する訓練や装備品を視察したとのことです。
 しかし、実際に木更津駐屯地で各国軍事指揮官とマスコミに展示されたのは陸上自衛隊のオスプレイ V-22のほか、陸自の「12式地対鑑誘導弾」そして米軍の「HIMARS」ロケット砲であったことは報道写真より明らかです。
 この日米のミサイル装備は「水陸両用作戦」とは全く関係がありません。昨年12月24日「共同通信」配信の記事により私たちが知った、慄然とする「台湾有事における南西諸島での日米軍事共同作戦」に使用される主要兵器です。
 米軍は「遠征前進基地作戦(EABO)」に基づいて、南西諸島40か所で自衛隊と共同でミサイルによる中国への軍事的威嚇を行うことを計画・立案し、すでにそのための日米共同訓練は繰り返されています。それが今回、その軍事的な形そのままに地元の木更津駐屯地であからさまに公開されたのです。

 私たち市民ネットワーク千葉県は、日本国憲法の平和主義のもとに生きる市民として、「地域から平和をつくる」活動を長年続けて来た地域政党です。現今のウクライナ危機の惨状に日々心を痛め、一刻も早い停戦と現地で暮らす人びとの安静な生活を祈り続けています。しかし、そこに火に油を注ぐように、戦況を煽ることが確実な HIMARSロケット砲のウクライナへの提供をバイデン政権は決めました。
 今や、沖縄・琉球弧とウクライナはつながっています。アジア太平洋戦争での唯一の地上戦を強制され、多くの犠牲を強いられた沖縄をさらに再び戦場にする、南西諸島での日米軍事行動計画は断じて容認できません。その既成事実化が、地元木更津駐屯地で公開されたことに対し、千葉県民として、平和を目指す地域政党として、私たち市民ネットワーク千葉県はここに断固とした抗議を表明するものです。

 ・南西諸島の住民を犠牲にする「日米共同軍事作戦計画」は即刻撤回してください。
 ・「日中平和友好条約」を柱とするこの50年間の日中外交の基本を遵守してください。
 ・日本国憲法の平和主義の理念に基づき、平和的外交努力に徹して国際紛争の解決に尽力してください。

2022年6月20日

市民ネットワーク千葉県 共同代表 伊藤とし子
                 いわさき明子