〈要請書〉2026年1月27日に公示される衆議院議員選挙におけるヘイトスピーチを許さない取組について

千葉県選挙管理委員会に要請書を提出しました。


千葉県選挙管理委員会 様

2026年1月27日に公示される衆議院選挙におけるヘイトスピーチを許さない取組みについての要請書

貴職におかれましては、日々、千葉県下の公正な選挙のためにご尽力いただいていることに敬意を表します。

 2016年5月、各地に広がったヘイトスピーチ対策として政府は「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(ヘイトスピーチ解消法)」を制定し、地方公共団体は、地域の実情に応じた施策を講じるとして、川崎市や相模原市などの自治体で条例が制定されるようになりました。
しかし、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の元会長が、2016年都知事選、2020年都知事選、2021年衆議院選、2022年参議院選などに立候補し、選挙運動に名を借りて外国人への差別と憎悪を助長する「演説」を繰り返すようになりました。そして今も在特会と同様の主張をする者が各地で立候補し、選挙活動と称してヘイトスピーチを拡散し、外国籍住民の排斥を訴える「演説」を繰り返しています。

 こうした状況を警告するように、2019年3月に法務省人権擁護局は「選挙運動、政治活動等として行われる不当な差別的言動の対応について」とする事務連絡を発出し、「選挙運動等に藉口した不当な差別的言動その他の言動により人権を侵犯されたとする被害申告等があった場合には、その言動が選挙運動等として行われていることのみをもって安易に人権侵犯性を否定することなく(中略)人権侵犯性の有無を総合的かつ適切に判断の上、対応する」よう求めています。

 また、昨年4月2日には「公職選挙法の一部を改正する法律」が公布され、ポスターの品位保持に係る改正として、ポスターには、他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害する内容を記載してはならない」という主旨が示されました。これは、ポスターにとどまらず、政見放送、街頭・宣伝カーでの演説にも適用されるべきと考えます。
しかし、昨年7月に行われた参議院選挙では、「日本人ファースト」という惹句に誘発された外国人排斥の主張が急速に拡散し、「外国人の犯罪が増加している」や、「外国人が生活保護や健康保険制度で優遇されている」など、根拠のないフェイク情報が蔓延し、選挙結果に大きな影響を及ぼしました。

 私たちは、本年1月27日に公示される衆議院選挙において、再び選挙運動に名を借りて外国人を排斥し、攻撃する言論が行われることを危惧しています。選挙権を有せず反論する術を持たない外国人市民への攻撃は卑劣としかいえない行為です。
  千葉県では2023年12月、「多様性尊重条例」が制定され、その中で、「国籍および文化的背景、性的指向および性自認、その他さまざまな違いに関わらず、全ての県民および事業者が理解し、尊重し合うこと」と謳われています。

以上を踏まえ、私たちは、衆議院選挙の執行にあたり、下記の3点を要請します。

    記

1.ヘイトスピーチ解消法や上記の法務省通知、千葉県多様性尊重条例の主旨を各立候補者に周知し、改めて選挙運動及び事前運動において、ヘイトスピーチがなされぬよう、貴職が指導と啓発及び監視をすること。

2.候補者の中にはSNSなどを使って、「日本国民優先の政策」の主張を装って、外国人排斥や差別を正当化するヘイトスピーチをする可能性がありますが、国際人権規約、人種差別撤廃条約などの政府が批准した国際人権諸条約を遵守するよう啓発すること。

★国際人権規約(社会権規約)第9条 「この規約の締約国は、社会保険その他の社会保障についてのすべての者の権利を認める。」 
★国際人権規約(自由権規約)第20条「差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道は、法律で禁止する。」

3.インターネット上で虚偽や真偽不明の情報が拡散されているのを認知した時は、調査、確認の上、虚偽である場合や根拠が不明である場合は、法務省などと連携してその旨公表し、公正な選挙活動がなされるよう指導すること。

以上

2026年1月23日

市民ネットワーク千葉県代表

小室美枝子