〈声明〉民意を切り捨てる衆議院議員定数削減に反対します。

自民党と日本維新の会は、12月5日、衆議院議員定数削減法案を提出しました。現在の総定数465議席の1割である45議席以上を削減することが柱となります。1年以内に結論が出ない場合は、小選挙区と比例区で計45議席を削減することが自動的に確定するとし、今国会での成立をめざしています。

日本維新の会は、先の通常国会に立憲民主党など5党派で共同提出した「企業・団体献金を禁止する政治資金規正法改正案」を取り下げる意向を11月26日に表明、今回の議員定数の削減を提案してきました。政権与党であろうとするための自民党に忖度したすり替えであり、「政治とカネ」の問題から国民の目を逸らせる意図であることは明白です。

吉村同党代表によると「国会議員の定数が多すぎる」という説明ですが、これは完全に事実に反しています。OECD加盟国38カ国中、日本の国会議員定数は100万人あたり5.6人にすぎず、順位としては36位、議院内閣制をとる国の中では最下位です。ドイツの9.7人、英国の21.7人よりも少なく、さらにはアイスランドの176.5人とは比較にもなりません。

今回の削減案で最も影響を受けるのが少数野党です。しかし、人々のニーズは多様化しており、さまざまな市民の声を反映させるためには、多様な政党の存在が不可欠であり、それこそが健全な民主主義の姿ではないでしょうか。維新の会が標榜する「身を切る改革」は、「民意を切る改革」と言っても過言ではありません。

市民ネットワーク千葉県は、多くの市民とともに、地方政治の現場で市民自治を実践するローカルパーティとして活動してきました。議員は、議会という政策決定の場で市民の声を代弁し、政策実現を図る役割を担っていると肝に銘じてきました。

衆議院議員定数削減は、民意を切りすてることであり、国会だけに留まらず地方議会に対しても多大な影響を与える恐れがあります。

以上のことから、市民ネットワーク千葉県は、自民・維新両党が進める衆議院議員定数削減に強く反対し、ここにその意思を表明します。

2025年12月10日

市民ネットワーク千葉県
共同代表  川口 えみ
小室みえこ