2016年度予算要望書および政策提案書
◆ はじめに ◆
9月19日、安保関連法案は、政府与党等によって、国民多数の反対の声を無視し参議院本会議で強行採決されました。国会の外では、法案採決後も、若者をはじめとした一般市民が参集し、思い思いのプラカードを掲げて「戦争法制廃止」「立憲主義を守れ」と声を上げ続けています。
今や日本は「戦争のできる国」へと舵を切ったと近隣諸国からも見られる結果となり、2016年度防衛省の概算要求総額も、安保法制を裏打ちするように、これまでで最高額の5兆911億円となりました。
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また、第2次安倍政権誕生後、増え続けてきた公共土木事業予算は、オリンピックを口実に増加の一途をたどっています。その一方で、東北復興関連予算は後回しにされ、国・地方合せてⅠ千兆円を超える負債は増大するばかりです。
正規・非正規を問わず雇用の安定も一向に改善されず、派遣法改悪により、労働環境はますます悪化しています。女性活躍推進法は女性を労働力としてしかみなさず、本来の女性差別を改善する法律にはなっていません。
10月から開始されるマイナンバー制度は国による国民の監視管理につながり、大変問題の多い制度です。
千葉県も含め、将来人口は確実に減少します。道路や橋梁、河川堤防、下水道施設、あらゆる社会資本が老朽化し、その改修・統廃合計画策定は、長期的な視点、徹底した情報公開のもとで迅速に実践していくべきです。
自治体の役割は、地域住民の安心・安全・平和な暮らしを守ることです。高齢社会の医療・福祉の充実、大規模震災や自然災害への対応、虐待やDV対策、子どもの貧困対策など課題は山積しています。限られた財源だからこそ、最大限に活かすよう求めます。
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先の震災から4年半が経過しましたが、今も放射性廃棄物は、その最終処分先に苦慮しつつ、各自治体で保管されています。指定廃棄物の処分場候補地とされた自治体では、住民が粘り強く反対運動を継続しています。千葉県としても徹底的に住民の立場に立った問題解決に取り組むことを求めます。
また、福島第一原発事故後、今なお福島から全国に避難している12万人(千葉県に3千人)の方々に対しては、あくまで当事者の意思を尊重する住宅支援や生活支援を継続することも求めます。
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ここに市民ネットワークの「2016年度予算要望書及び政策提案書」を提出いたします。県民有志とともに県の事業や政策を検証し、新たな要望項目も盛り込みました。知事ならびに執行部におかれましては、なにとぞよろしくご協議の上、来年度の予算編成に反映していただきたくお願い申しあげます。
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2015年10月7日
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市民ネットワーク 山本友子・入江晶子
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自治/行財政改革
【県民参加と情報公開】
1.県民参加を保障する「自治基本条例」を議会と協力しつつ策定すること。
2.重要施策に関しては、タウンミーティング、あるいは県民が直接意見を述べることのできる場を設置すること。またパブリックコメントの募集期間を延長すること。
3.「MPO 立県千葉」の理念を復活させ、NPO支援予算を拡充すること。
4.予算編成過程の情報公開を進めること。
5. 行政文書の開示・不開示の決定は速やかに行い、不開示の場合も理由を明確に示すこと。また開示に対する不服審査請求に対しても速やかに対応すること。
【審議会、検討委員会等】
1. 委員の選定にあたっては、専門性や技術性が問われる審議会であっても公募による市民枠を設けるとともに、女性枠を設けること。
2. 広く人材を求め、委員の兼任をやめ任期は5年程度に制限する。また、議員は除外すること。さらに、一方の性が40%を下らないようにすること。
3. 会議の傍聴申込は、周知期間を十分に取り、電話、ファックス、メールで可とし、傍聴者に発言の機会を積極的に与えること。傍聴者を退出させる際には理由を明確にすること。
4. 議事録は、審議会後に速やかに概要をホームページにアップし、後日、正確な議事録を載せるなど、県民に周知を図ること。
【人事・組織】
1. 内部通報制度を臨時職員も含めて全職員に周知させ、十分に機能させること。
2.県幹部(県警も含む)が利害関係のある団体・企業へ転職することを、全面禁止すること。
3.知事直属の政策アドバイザーは、設置要綱等を定め、業務報告書の提出・公開を義務づけること。
4.職員の定員適正化にあたっては、経費削減を名目に安易に非常勤職員への置き換えやアウトソーシングを進めるのでなく、現場の実情や、将来にわたっての住民サービスへの影響を調査し、適正に行うこと。正規から非正規に置き換える場合の理由を明確に示すこと。
5.非常勤職員に対しては「同一価値労働・同一賃金」の観点から処遇の改善を図ること。その改善状況の数値を、毎年開示すること。
6.公社等外郭団体の経営改善や統廃合などの改革にあたっては、個々の団体の経営状況や改革プランを公開し、外部有識者の改革プランも積極的に取り入れて改革を進めること。
7.県政庁記者クラブ制度を廃止し、一般市民も利用可能な共同記者会見の場とすること。
【入札・契約その他】
1.公契約条例の制定を目指すこと。
2.入札・契約制度改革を進め、一般競争入札にできない理由をさらに詳しく公表して随意契約率をさらに減少させること。随意契約に関しては、削減に努めるとともに、地方自治法施行令第167条の2第1項のうち2号に該当する場合、その理由を明記し公開すること。
3.低入札価格調査制度については、下請け、孫請けに至るまで労働者の賃金切り下げにつながらないよう契約内容の履行を徹底させ、内部告発や履行違反等の情報があった場合、違反業者名の公開を含めて速やかに対応すること。
4.専門性の高い財産取得(高額医療機器や環境管理システム機器など)の高落札率を改善すること。
5.各部局で行っている入札の仕組みを一元化し、全庁的な入札情報制度改革をさらに進めること。
6.公文書の年号は、西暦も併記すること。
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危機管理
【防災対策】
1.防災分野における女性参画を進めること。具体的には、市町村防災会議における女性委員ゼロの解消、消防団員や防災コーディネーターの女性比率を高めること。
2.集中豪雨等による内水氾濫を防ぐための治水対策を市町村との連携で進めること。
3.ダムによる治水に頼らず、堤防強化にシフトすること。
【有事・国民保護法制】
1.2004 年度成立の「千葉県安全で安心なまちづくりの促進に関する条例」(「生活安全条例」)施行に関しては、個人生活のプライバシーの侵害を起こさず、また市民の相互監視をあおることのないように、十分に留意すること。「防犯」の名目で安易に市民合意のない「防犯カメラ」の設置をせず、犯罪、テロの根本を見据えた、真の意味で「共存」「共生」「信頼」が確立した社会をめざすこと。
2.「国民保護計画」に基づいて毎年行われている市民を巻き込んだ実働訓練は、市民を徒に不安に陥れるものである。実働訓練の中止を国に求めること。
3.政権による安全保障政策の変更に対し、自治体の住民の安全を守る責務を再確認し、「日本国憲法」の平和主義の原則に立脚して「国民保護計画」の抜本的見直しを図ること。
【原子力・核エネルギー】
1.東海村核施設で事故が起こった場合、本県においても放射能汚染等の被害は免れない。人口密集の首都圏に最も近い原発として、即刻の停止と廃炉を求めること。
2.川内原発から始められた「再稼働」強行の中止と、他の原発全ての再稼働の凍結を国に求めること。さらに、運転開始から40 年を超える老朽原子炉、BWR マーク1型及び危険な高速増殖炉「もんじゅ」は即刻廃炉とし、原子力依存のエネルギー・電力政策からのからの撤退を国に求めていくこと。国内に蓄積している47トンのプルトニウムの管理も含め、中長期的な展望に立って破綻している「核燃料サイクル」からの撤退を計ること。
3.東海村や浜岡、横須賀に配備された原子力空母ロナルド・レーガンの核事故にそなえ、千葉県の防災計画の中に、広範な核事故対策をもりこみ、実効性のあるものとすること。
4.核施設の事故直後に速やかに住民に配布するためのヨウ素剤の購入、保管と40歳以下の住民へのヨウ素剤配布体制を早急に整え、住民にその情報を公開すること。モニタリング体制を一層強化し、緊急時の住民の避難も含めた被曝低減対策の体制を整えること。
5.福島第一原発大事故を受け、放射線監視体制と被曝低減対策を、専門家と住民も参加の上で協議し立案・実施すること。
6.米海軍原子力空母ロナルド・レーガンについては、横須賀基地の母港返上を求めること。
7.危険な放射性物質であるプルトニウム燃料が県内の道路を通過するに当たっては国に通過道路の情報公開を求め、県として早急に対策を講じること。ガラス固化プロセスを始め問題のある六ヶ所核燃再処理工場を即刻閉鎖するよう国に求めること。
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非核・平和
1.?非核平和宣言を行っている千葉県は、「非核平和宣言自治体協議会」に参加し、未宣言・未参加の自治体への宣言と参加を促しつつ、非核平和の具体的な政策を積極的に推進する。ジュネーブ条約追加第一議定書に基づいた「無防備地域宣言」をめざす市民の平和活動を支援すること。
2.アメリカ軍がもっている劣化ウラン弾や化学兵器、生物兵器の県内持ち込みおよび移動を禁止すること。
3.成田空港など県内の施設の「有事国民保護法」に基づく軍事使用は認めないこと。
4.「集団的自衛権行使容認」の閣議決定がなされた中、憲法9条に基づく軍事力によらない平和実現を目指し、「防衛大綱」の根本見直しを求めること。空自習志野基地へ配備されたPAC-3 の撤去を求めること。
5.危険な軍事施設の移動に関しては、自治体と住民に対して事前に十全な情報を提供するよう国に求めること。
6.陸自習志野演習場に関しては、3.11 であらわになった耐震対策も含め、人口密集地への大型弾薬庫の運用は危険きわまりない。早急に運用を停止し、撤去を求めること。
7.木更津基地での米海兵隊及び陸上自衛隊のMV-22オスプレイ整備拠点誘致が予定されているが、首都圏および習志野基地でのオスプレイ参加の演習を中止させること。世界各地で墜落事故を起こしているオスプレイ輸送機の自衛隊導入を中止させ、新「ガイドライン」に基づく自衛隊の米軍との一体化の推進に反対すること。
8.陸自習志野演習場でのパラシュート降下訓練は、近年事故が相次いでいる。また大型ヘリ、ジェット輸送機の低空飛行による騒音被害と事故の危険性はかねてより指摘されている。国内一狭小であり、唯一住宅地、国道に近接している習志野演習場での降下訓練の速やかな中止を求めること。
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まちづくり
1.千葉県人口ビジョンは現実的なデータでシミュレーションを行い、人口フレームを再策定すること。
2.都市計画審議会では、積極的に口頭陳述の場を設け、県民参加をすすめること。
3.今後の公共事業の見直しにあたっては、将来の人口推計や将来都市像の予測に基づき、事業の継続・変更・縮小・廃止や、個別施設の長寿命化など、広く県民に情報を開示しつつ進めること。
4.再評価監視委員会は、国庫補助事業の見直し等は、十分に現地視察などを行った上で再評価すること。
5.かずさアカデミアパーク内の未利用地に対する土地賃借契約は、早期の収束をめざすこと。
6.地域経済への波及効果が乏しく、地方自治体が担う必要のない研究業務を行う「かずさDNA研究所」は、閉鎖を含めた見直しを行うこと。
7.治水・利水両面から必要性を失った八ッ場ダム事業から撤退し、治水面においては堤防補強事業を優先させること。
8.都市計画道路のうち、未着手道路(一部開通も含む)について、廃止や車線の減などの具体的な案を市町村と共有しつつ、積極的に市町村との協議をすすめること。
9.高規格道路(第二東京湾岸道路、外環道、圏央道、北千葉道路)の整備を優先するのではなく、生活道路に十分な予算を配分すること。
10.通称交通バリアフリー法の拠点となる特定経路道路以外の県道についても、整備を進めること。
11.市町村から交付金にもとづく事業の申請がなされた場合、付帯事業に至るまで、蓋然性を厳正に審査すること。
12.県公共施設の再配置に当たっては、計画策定段階から県民参加を実施すること。
13.「住まいの確保」は福祉であるとの認識に立って、住宅確保要配慮者に対しの確実な支援をすること。また若者の居住保障にも力を入れること。
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福祉・保健・医療
【誰もが安心して暮らせるために】
1.財政的な理由で第三者評価を受けられない事業所については、費用の助成をすること。
2.中核地域生活支援センターの予算を拡充し、市町村への移行をしないこと。
3.無料低額宿泊施設の設置条例を制定し、許認可制とする。また、施設への抜き打ち検査を実施すること。
4.生活困窮者に対しては、県内広域で救済できるシステムを作ること。
【高齢者福祉】
1.市町村の地域包括ケアに関わる人材の育成や資質向上、多職種連携や地域ケア会議など市町村の取り組みを積極的に支援すること。
2.有料老人ホームに対する届出等の指導を強化し、入所者の処遇改善に努めること。
3.サービス付き高齢者向け住宅のサービスが適正に行われるよう厳正な指導・監査を行うこと。
4.高齢者虐待については市町村と連携し指導・監督を行い、事案終了後も十分な経過観察を行うこと。
【障がいをもつ人の福祉と社会参加について】
1.地域によって受けられるサービスに偏りがないよう「医療型児童発達支援センター」を未設置の医療圏域に対しては、速やかに設置するよう指導を強化すること。
2.「障害者差別解消法」に基づき、千葉県でも差別の実態を把握し、当事者を交えて障害者差別禁止計画を策定すること。とりわけ、ジェンダーによる複合差別解消の視点をしっかり入れること。
【保健・医療】
1.大人の難病や子どもの難病・慢性疾患の制度移行に伴い、利用者の負担増等の影響をできる限り少なくすること。
2.重度心身障害児・者の医療費助成制度に導入した新規自己負担を取りやめること。
3.精神障がいを持つ人の医療費助成は、身体・知的障がいを持つ人と同等の内容とすること。
4.「在宅ターミナルケア」を含む終末期医療の充実、ホスピスを充実させ、当事者が望む形で終末期医療を利用できるように医師会に働きかけること。
5.子宮頸がんワクチンの副反応に関する情報を医療機関に周知徹底させ、 的確な診断が行われるよう指導啓発すること。また、千葉県独自の医療費助成を早期に実現すること。
6.子宮頸がんワクチン副反応被害者に関する情報を教育委員会で正確に把握し、教育現場への的確な情報拡散と被害児童生徒への理解醸成に努めること。
7.看護師・保健師等の修学資金貸付の拡充を図り、県内就業率を上げること。
・県立保健医療大学看護科の定員枠を増やすこと。
・医師の養成や人材確保にさらに力を入れること。とりわけ総合診療専門医を増やすための支援を行うこと。
・地域医療ビジョンの策定に当たっては、住民参加で行うこと。
8.フッ化物集団うがいについては、危険性や副作用に関する情報を積極的に開示し、希望者以外強制しないよう市町村に周知すること。
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環 境
【 放射能汚染/対策 】
1.既存原発の再稼働や新規の原発輸出等は取りやめ、原発即時ゼロ社会をめざすこと。
2.空間・土壌・河川・湖沼・海等の放射能濃度の測定は、今後も継続的に実施し、引き続き情報公開していくこと。
【放射性廃棄物処分場対策等】
1.指定廃棄物最終処分場候補地選定に関する市町村長会議の結果や内容、また県としてのこれまでの対応や今後の考え方をホームページ等で公表すること。またすでに県外に持ち出されたものがあれば、調査し公表すること。
2.千葉市議会および千葉市長から再協議のための市町村長会議の開催が求められている。県としても、国に対し会議の開催を求め、県内各市に対しても参加を促すこと。
3.指定廃棄物最終処分場候補地選定にかかわる国の説明会を、県内各地で開催するよう環境省に働きかけること。開催にあたっては、時間・地域など考慮し、広く県民参加できる方法をとり、広報にも力を入れること。
4.県内各市で保管されている指定廃棄物の量・種類・内容及び形態・保管状況を調査、把握し、その結果をホームページに公表すること。保管場維持管理費については、全額国と東電に負担を求めること。
5.民間で保管している指定廃棄物については、量と場所を公開すること。
6.今後指定される可能性のある放射性廃棄物についても、随時調査し、公表すること。
7.8000ベクレル以下の放射性廃棄物の県内発生量と保管量を改めて調査し、公表すること。また、管理型処分場等に持ち込まれた総量についても調査・把握し、公表すること。
8.残土処分場や改良土に、放射性廃棄物が紛れていないか十分調査し監視を強化すること。
【再生可能エネルギーの利用促進および省エネの推進 】
1. スイスで提唱している「2000W社会」を目指し、一人あたりの年間エネルギー消費量を半減し2000W/時をめざす「千葉モデル」を検討すること。
2.県有施設においては、省エネの達成数値目標を掲げて積極的に取り組むこと。
3. 電力小売全面自由化にあたっては、固定価格買取制度が新規参入をめざす電力会社にとって不利とならないよう、国に働きかけること。
4. 千葉県での公共施設における自家発電力や、企業や工場での自家発電力をさらに高めること。また排熱利用についても研究を進めること。5. 小水力発電、ソーラーシェアリング、太陽熱利用、木質バイオマス等、小規模電力や熱利用の実用化を進めること。
6. 水素自動車の普及を図ること。
【 残土・産業廃棄物 ・山砂採取】
1.不法投棄の監視を更に強化し、早期発見に努めること。
2.産業廃棄物の発生抑制をめざし、回収、分別、再資源化をすすめ、最終処分量の削減に務める民間事業者を支援すること。
3.仮称「土地利用基本条例」を策定し、残土・産廃処分場、砂利採取事業等は、良好な自然景観の場所、水道水源の保全地区には許可をしないよう立地規制を国に要望すること。また、保全すべき森林、谷津田、里山に対しては、県独自の保全の基準を策定すること。
4.千葉県残土条例の改正を以下の方向で厳格化すること。
・産業廃棄物最終処分場と同様、残土処分場についても、事業完了後は「地歴」を残し、必要に応じて情報を開示できるようにするこよ
・許可に当たっては、申請書類をさらに厳重にチェックし、隣接地権者の同意条項を加え、事業者・土地所有者を連帯保証人とすること。
・建設発生土の移動や処分は、自区内処理、県内処理を原則とし、県外残土の受け入れには、規制を厳しくすること。
・申請書と異なる排出元、構造違反等に対しては、迅速に厳罰化し、当初計画書どおりに原状回復させること。
5.産業廃棄物安定型処分場の新設にあたっては、安定型・管理型を問わず、設置規則の厳格化を図るよう国に働きかけること。また、自治体においても、処分場に県の公共関与を進めること。
6.山砂採取に関しては国有林、県有林を除外し、環境保全の視点と、資源の有効な管理を明確に盛り込んだ千葉県独自の「砂利採取規制条例」を作成すること。山砂採取場周辺は、地下水系の変化、地盤の隆起など地勢調査を行なうこと。
7.「改良土」二巻しては、事業の許可にあたっては、「残土」処分場並の基準、規制を加えること。
8.鋸南町住民の命の安全、養殖業を守るためにも、河川上流域に汚染土壌処分場は造らせないこと。
【化学物質対策】
1.県有施設の建物、公園、街路樹などは、できるだけ農薬、化学物質を使用しない「総合防除」を導入し、管理すること。毎年、各施設の農薬、化学物質使用調査を行うこと。
2.農薬使用にあたっては、引き続き業者に国の通知「公園・街路等病害虫・雑草管理マニュアル」「住宅地等における農薬使用について」周知徹底させること。
3.学校・幼稚園・保育所等の工事については、シックハウス症候群を未然に防止するため、文部科学省の定めた6物質だけでなく、TVOCを測定し、その規制値を設けること。防蟻剤(シロアリ防除剤)は自然由来のものを使用すること。
4.化学物質過敏症や電磁波過敏症の相談に当たっては県設置の「アレルギー相談センター」において個別相談に対応しながら、その認知度を高めること。
5.幼稚園・保育園・学校など子どもの施設ではワックス・剥離材・トイレ芳香剤・消臭剤・洗剤・薫蒸剤など化学製品の使用状況の調査をして、より健康に配慮し製品の使用を義務付けること。
【電磁波対策】
1.千葉県として、電磁波問題に対する対策を検討する部署を設けること。
2.県立施設、学校のそばには携帯電話、PHSの電波塔、高圧線、変電所設置の許可をしないこと。電波塔建設にあたっては、設置事業者は電磁波などの影響が予測される範囲内の土地・建物の権利者及び居住者に対して計画の内容について説明会を開くことを義務づける条例などを制定すること。
3.盗難防止用ゲートの電磁波の基準値を設けて規制すること。
4.子どもの位置確認のためのGPSシステム利用、キッズ携帯はプライバシーを侵害するばかりでなく、白血病など電磁波の危険性があることを広く通知すること。
5.IH電磁調理器は、とくに子どもの健康、妊娠中の母親への悪影響の恐れがあるので、予防原則の観点から公営施設には設置しないこと。
【水環境】
1.工業用水事業は、実際の水需要に合わない現行の契約料金制の見直しを早期に進めること。
2.地下水の涵養と適正利用を図るために、環境保全条例で指定されている揚水規制区域から1地域を選び、モデル的に地下水の実態調査を行うこと。
3.地下水は飲み水として貴重な資源であることを宣言し、「千葉県環境保全条例」については、地盤沈下2センチ未満が続く地域の地下水揚水規制を見直すこと。
4.浄化槽の法定検査の受検率を引き上げるよう指導を強化すること。早急に高度処理型合併処理浄化槽に転換できるよう、財政措置を行うこと。
5.「印旛沼流域における雨水浸透施設及び雨水貯留施設の設置を促進するためのルール」の協力要請と、誘導策の検討を行うこと。
【森林・里山 環境保全】
1.森林、緑地保全のための地権者への優遇税制を導入すること。
2.急傾斜地の保全に関しては、斜面林保全の視点を導入すること。
【環境教育】
1.環境教育は、学校、生涯学習、いずれの場においても、教育委員会と連携して進めること。教職員はNPO活動に対しても積極的に参加し、研修会にNPO 団体から講師を招くなどして、人と情報の交流を図ること。また、手法を体系化し、市町村における環境学習推進にも活用していくこと。
【三番瀬・盤洲干潟】
1.「三番瀬再生会議」に代わるオープンな会議を設置し、ラムサール条約登録に向けて、働きかけていくこと。
2.盤洲干潟は、関係者と話し合いを深め、自然保護区として残すこと。
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食と農
1.有機農業生産者や有機認証をめざす生産者が利用できる公的検査機関を設置し農薬不使用の農地を明確にすることで、農薬飛散防止対策の一助とすること。
2.国が進めようとしている農地中間管理機構による農地集積事業でなく、地域の実情にあった新規就農者を、地域で支援し、持続可能な農業と農業者を育てること。
3.農業大学校に有機農業コースを設けること。
4.イネの不耕起移植栽培、冬期湛水の農法の普及を進めるため、「水利権」などの課題解決に取り組むこと。
5.田んぼの持つ治水機能を最大限活用するために、「田んぼダム」の手法が有効な農地に対して普及を図っていくこと。
6.農薬の空中散布については、有人、無人ヘリにかかわらず、実施に際しては、散布除外施設・エリアに飛散しないよう最低でも200メートルの緩衝地帯を設定すること。
7.ネオニコチノイド系の農薬がミツバチ等生態系に与える影響を調べ、規制を強化すること。
8.千葉県農業会議の会議録は、ホームページで公開すること。
9.県産農畜産物及び県内漁港から水揚げされる水産資源の放射性物質測定検査は引き続き行うこと。
10.森林の間伐材利用促進のためにも、農家と林業従事者が連携する木質バイオマス事業を目標値を定めて推進すること。
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子ども
【子どもの人権】
1.子どもをあらゆる人権侵害から救済し、子どもの人権が十分に守られるように、子ども人権条例や、子どもオンブズパーソン制度を制定すること。
2.いじめ予防のためにも、小学校の間に、こどもが必ず1回は、学校でCAP(子どもへの暴力防止プログラム)のような人権教育プログラムを受けるように市町村教育委員会に働きかけ、財政面も含めて支援すること。
3.ひとり親家庭の生活支援事業の実施を全県的に進めるために、市町村に積極的な活用を促すこと。
【児童虐待】
1.児童相談所の専門職員の増員をさらにすすめること。一時保護所の環境を整備し、一時保護期間の短縮に努め、子どもたちを速やかに次の段階に措置すること。
2.児童相談所の所管区域の見直しや老朽化した施設の改修・移転、生実学校自立支援寮の整備など早急に方向性を示すこと。
3.県立乳児院については、医療機関との連携を視野に存続すること。
4.「家庭的養護・小規模化」を進めるために、里親や民間児童養護施設等に対する支援を強化すること。
5.自立援助ホームを更に促進するために、県も財政的支援をすること。
6.被虐待児の家庭復帰を進めるために各施設の家庭生活支援相談員の配置を拡充する。
【放射能被爆対策】
1.子ども・被災者支援法に基づき県内汚染状況重点調査地域における子ども(当時18歳以下)の健康チェック体制を早期に実現するよう国に強く働きかけること。
【障がい児への支援】
1.特別支援学校では、障がい特性に配慮した個別のプログラムでの対応を心がけること。また就学先の決定は,子ども本人や保護者の意見を尊重し、通常学校を希望する場合、学校サイドはハードの整備、人の手配など態勢を整え受け入れること。
2.個別の支援についての理解を深めるため、教職員、支援員の研修を臨時職員も含めて強化すること。
3.登下校時のスクールバスに1時間半以上乗車している子ども達がいる。バスの増便、駐車場の確保など早急に長時間乗車解消に取り組むこと。
4.すべての特別支援学校が、福祉避難所として年度内に指定を得られるよう、市町村、教育委員会との協議を早めること。
5.高校入学を希望するすべての子どもが入学できるように、高校の定員内不合格をなくすこと。
【学校教育】
1.小中学校全学年を35人学級にする。
2.正規職員とすべきところを非常勤講師で充当しているいわゆる「定数内欠員補充講師」をなくし、正規職員にすること。
3.低年齢での妊娠・中絶・性感染症などが増加している現状から、保健師・助産師などの専門家を学校に派遣し、それぞれの身体と人格を尊重しあう正しい性教育と感染防止に向けた具体的な指導を強化すること。そのためのモデル事業を県が行い、地域に広めるきっかけをつくること。
4.中学校区に1人スクールソーシャルワーカーを配置すること。
5.子どもの貧困の連鎖解消に向けて、生活困窮状態にある子どもに対する学習支援事業を市町村が行うように、積極的に働きかけること。6.教科書採択については、すべての採択地区協議会や教育委員会における会議の公開、教科書展示会の夜間・休日開催、展示会でのアンケート票の見直し、採択過程への反映など、情報公開と関係者の意見反映を、県として積極的に進めること。
【県立高校・私学助成】
1.県立高校の施設整備については、耐震化計画だけではなく修繕・改修計画を速やかに策定し、実施すること。
2.将来の生徒数の客観的な予測データに基づき、定員削減や統廃合を安易に進めないこと。県立高校の存在意義を踏まえ、現場の教員や生徒・保護者の意見を十分に反映した計画の見直しを行うこと。
3.「千葉県奨学金制度」を十分周知させ、県独自の給付額上乗せを行うこと。
4.私学助成に関しては、授業料以外の諸経費の保護者負担を軽減すること。
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【教育委員会】
1.教育委員会の委員の選任にあたっては、男女同数を基本とし、公募・市民推薦も取り入れ、多様な分野からの登用をすすめること。
2.教育委員会議に請願や陳情があった場合、請願者などの陳述権を認めること。また委員会では、個人情報に関わること以外はすべて公開とすること。土曜なら空いているとのこと。
3.教育委員会議の委員協議会は原則公開し、議事録を作成公表すること。
【保育】
1.市町村があらたに行う小規模保育の質を高めるために、資格を持たない保育従事者への研修を徹底すること。
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ジェンダー
1.県庁内の女性管理職(課長職相当以上)比率25%という数値目標を確実に達成すること。また、本庁課長相当職以上、部長級職員もそれぞれ女性の比率を25%にするように努力すること。さらに、公平な昇進の仕組みを担保するため、昇任試験の導入を検討すること。
2.引き続き女性警察官の採用を拡大し、目標値10%を前倒しで達成すること。
3.男性職員の育児への積極的な関わりを促すため、育児休業や短時間勤務等の制度を利用しやすい環境整備(対象者への業務スケジュールの調整等)に努めること。また、育児休業短時間勤務などの利用を、人事評価の項目に加えること。
4.DV相談にあたる相談員及び保護施設の職員に対し、障害のあるDV被害者への適切な対応が行えるよう、障害の個々の特性や支援のあり方について理解するための研修の回数を増やし、ケーススタディなど実践的な研修を行うこと。
5.DV被害者支援に関わる関係部局においては、常に二次被害の可能性を前提に対応をすること。
6.セクハラやマタハラなどの人権侵害が起きないようにするための研修は、新任研修や担当職員研修だけでなく、管理職も対象に実施すること。
7.学校でのセクハラ調査の集計については、生徒のプライバシーが守られ、安心して書けるようにするために、学校内部ではなく、第三者機関で行うこと。
8.女性サポートセンターでは、同行支援や生活再建支援の充実・強化に今後も取り組むこと。
9.民間のシェルターとの連携や財政支援を継続的に行い、同行支援事業を担う団体を育てること。
10. 女性サポートセンター主催のDV被害者支援連絡会議は様々な団体や警察との情報共有ができるよう、開催回数を増やすこと。
11. 男女共同参画推進懇話会の専門部会は公開で行うこと。
12. 中学、高校、大学などで若者のデートDVの実態調査を行うこと。
13. 男女共同参画施策を推進するための調査研究の予算を増額すること。
14. 女性若年無業者の実態を調査すること。特に厚労省の定義には含まれない家事従事者も含めた調査をすること。
15. 性暴力被害者支援の民間団体との連携をしっかり行うこと。
16. 性的マイノリティ(LGBT等)の人権を保障すること。
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人 権
1.人権侵害に対し責任をもって解決できる権利擁護機関を早急に設置すること。
2.外国人の医療、労働、人身売買など人権の問題について救済する公的機関をつくり、草の根交流を行なうNPO を支援する。その際、当事者が申し出やすいように不法滞在としての罰則を適用しない。
3.改正入管法による外国人の管理強化に対し、人権擁護の立場から是正の意見を国に表明すること。牛久入管に収容されている千葉県在住の外国人の非人道的待遇を改善させ、基本的人権を保障するよう国に求める。
4.警察を含むすべての自治体職員、すべての福祉事業職員、学校、その他の公的機関の研修科目に、平和・人権についての研修をさらに拡充する。
5.定住外国人の地方公務員への採用をすすめるため、国籍条項を撤廃する。
6.定住外国人の地方参政権を認めるよう国に求めていく。
7.公教育、公的行事において、君が代・日の丸の強制を行なわない。
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美浜区
1.県が所有する跡地について、地域にはその使途をすみやかに明らかにするとともに、建物や土地の管理を適切におこなうこと。
2. 千葉市美浜区真砂4丁目 検見川地区サービスセンタービルについて、来年3月末に千葉市真砂コミュニティセンターが移転した後は、地域の意見を尊重しながら跡地利用を検討すること。
3. 防犯上の観点からも、花見川沿いサイクリングロードの街灯の照度を上げるか増設を検討すること。
4. 美浜区幕張西地区と打瀬地区に交番の設置を検討すること。
5. イオン・グランドモール角の豊砂信号の横断歩道を現在の3辺から4辺にするよう検討すること。
6. 浜田川の上流市(八千代市、船橋市、習志野市)への下水道整備および浄化槽の法定検査の受検率向上をすすめるとともに、幕張メッセ周辺の悪臭対策をすること。