習志野演習場を使用した令和5年度第1回国内における米空軍機からの降下訓練中止を求める申入れ
習志野演習場を使用した令和5年度第1回国内における米空軍機からの降下訓練中止を求める申入れ
内閣総理大臣 岸田文雄殿
防衛大臣 浜田靖一殿
外務大臣 林芳正殿
陸上自衛隊習志野駐屯地司令兼第一空挺団長 若松純也殿
2020年より常態化している習志野演習場を使用した米空軍機からの降下訓練が、23日・24日に実施が予定されています。
私たち市民ネットワーク千葉県は、2017年よりやはり常態化している第一空挺団降下訓練始めへの米軍の参加と同様、米空軍横田基地の米軍機を使用しての降下訓練を、「日米軍事一体化」を全国で唯一市民生活の現場で強行し、その既成事実化を図るものとして一貫して抗議し、中止を求めてきました。演習場周辺100万人が暮らす人口密集地での低空飛行と降下訓練の危険性、騒音の被害についても繰り返し指摘してきたところです。
今回の降下訓練は、それに加えて以下の点において重要な問題を有しています。
まず、昨年末の「安保3文書」改定により、日本の安全保障政策と自衛隊のあり方に根本的な改変が行われたことです。中国をあからさまに「仮想敵国」とみなし、先制攻撃との区別も曖昧な「反撃能力」を有して、自衛隊が率先して軍事的対処を行うとされました。これはとりもなおさずこれまで以上に米軍と自衛隊との一体化を推し進めることを意味します。
そして、そのために莫大な防衛費増額が企てられ、増税をも含む財源確保法案が、先日衆議院での成立が確実になったばかりです。
さらに問題なのは、広島での G7サミットにおいて、ウクライナのゼレンスキー大統領まで参加し、「平和」の名目で「西側諸国」による対ロ戦争の継続・強化を確認した直後での訓練実施であることです。
このように日本をめぐる「安全保障環境の悪化と防衛力の強化の必要性」「民主主義 vs.権威主義」の雰囲気が過剰なまでに醸成される中での日米共同の降下訓練の実施は、国会での議論も不在のまま進められている、市民生活を圧迫しながらの「軍事大国化」路線をさらに当然なものと見せつけることに他なりません。
日本国憲法の平和主義の理念を地域から実現し拡張する活動を続けてきた私たち市民ネットワーク千葉県は、ここに改めて習志野演習場を使用した日米共同の軍事訓練の中止と常態化をやめるよう強く求めます。
2023年5月22日
市民ネットワーク千葉県 共同代表 川口 絵未
伊藤とし子
岩﨑 明子