〈要請書〉習志野演習場を使用した本年度第3回国内における米空軍機からの降下訓練の中止を求めます

習志野演習場を使用した本年度第3回国内における米空軍機からの降下訓練の中止を求めます

内閣総理大臣 防衛大臣 外務大臣 習志野駐屯地司令兼第1空挺団長 宛

 陸上幕僚監部は「令和5年度第3回国内における米空軍機からの降下訓練」を8月1日より3日にわたって実施する旨通知しました。
 5月の第1回に続き今回も習志野演習場が使用され、米空軍C-130J輸送機から、第1空挺団員が降下します。

 私たち市民ネットワーク千葉県は、地域から平和をつくる、を理念として長年活動を続けてきました。とりわけ21世紀に入ってからの日米の軍事一体化強化については一貫して反対し続けています。国内外での自衛隊と米軍が一体となって頻繁に行われている合同訓練の中、唯一一般市民の生活の場で実施され、一般市民に日米軍事一体化を見せつける習志野演習場での合同訓練には、毎回抗議し中止を申し入れています。

 現岸田政権は、昨年末の「安保3文書」改定、信じがたいまでの防衛費増額とそれを長期にわたって保証するための財源確保法の成立など、強硬な軍拡路線を進めようとしています。ロシア連邦軍によるウクライナ軍事侵攻とその泥沼化、朝鮮民主主義人民共和国の衛星打ち上げ実験、米国と共同歩調で煽り立てている「台湾有事」を名目とした中国脅威論、これらで醸成されている「防衛力強化やむなし」の雰囲気は大変危険なものと考えます。先般閣議決定された「骨太の方針」にも明記されている「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境」について、政権側からの合理的な説明がなされたことはこれまで一度としてありません。「防衛力を抜本的に強化」「日米同盟の抑止力と対処力を強化するとともに、同志国等との連携を強化する」という名目だけが先行し、習志野演習場での「降下訓練始め」には本年度米軍に加え英軍・豪軍も参加しました。7月7日に東富士演習場で行われた第2回国内における米空軍機からの降下訓練では、米軍の軍事物資の「投下」訓練も行われました。

 そうした中、また習志野演習場での日米合同の降下訓練が行われます。周辺の100万人の住民には、防衛省からも自治体からも十分な周知がなされない状態に改善はありません。頻繁に大型輸送機が飛来し、多くの自衛隊員が降下するにもかかわらず、騒音、誤降下、低空飛行や夜間飛行への対策も一切なされていません。

 私たち市民ネットワーク千葉県は、平和主義の立場から、そして地域住民の安全を最優先する立場から、ここに改めて習志野演習場を使用した日米共同の軍事訓練の中止と常態化をやめるよう強く求めます。

 

2023年7月31日

                                  市民ネットワーク千葉県
                                    共同代表 川口えみ 伊藤とし子 岩﨑明子