〈要請書〉幕張メッセで開催される「武器見本市」への協力中止を求める要請書

2月16日に、社民党千葉県連合、新社会党千葉県本部、i女性会議千葉県本部と共に、担当課に要請書を渡し、意見交換しました。

幕張メッセで開催される「武器見本市」への協力中止を求める要請書

千葉県知事 熊谷俊人様

千葉県千葉市の幕張メッセではこれまでに4回の武器見本市が開催されています。昨年の3月にも、私たちを含む多くの県民の中止要請にもかかわらず開催されました。千葉県民の暮らしのど真ん中で、千葉県当局の協力のもとに、人を殺し傷つける武器・兵器の一大展示会の開催が年中行事化しようとしています。

そして今年開催されるDSEI JAPANで特に注目すべきことは、現在もイスラエルによるパレスチナのガザ地区やヨルダン川西岸の自治区に対する激しい軍事攻撃が行われている最中に準備されているという点です。ガザ地区においては、すでに原爆数発分と言われる大規模で集中的な軍事攻撃が行われ、子どもと女性を中心に2万数千人の人々の命が奪われ、数万人の負傷者が生じ、ガザ地区の7割が瓦礫と化してしまっています。

県当局のように、DSEI JAPANは商行為であって戦争ではないなどとは言えません。なぜなら、兵器産業の常識では、本当の戦争は「動的な」武器展示、見本市は「静的な」武器展示だと見なされているからです。いまガザでイスラエルや米国などの兵器がパレスチナ人を大量殺傷していますが、これは武器・兵器のデモンストレーションであり、見本市はそれを補完してひとつの任務を果たしています。イスラエルは、これまでも、2年に1回の間隔でガザ地区などを攻撃し、そのデモンストレーションを行い、幕張メッセに出展してきたのです。

世界中でイスラエルの蛮行に対する批判の声が高まり、そこで用いられる武器を供給している国々とその兵器産業に対する批判の声が高まっています。その声は、それぞれの国の政権さえ脅かすほどに大きくこだましています。この非人道的大惨事に対しては、日本政府も無関係ではありえません。イスラエルやそれを支援する米国などを厳しく批判していないとして、パレスチナからだけでなく世界の人々からも厳しい視線を注がれています。

もちろん千葉県当局も、このままでは大きく責任を問われることにならざるをえません。なぜなら、いままさに世界の目の前で大虐殺を繰り広げているイスラエルと、それを軍事的に支援する米国やNATO諸国、そしてその足下の軍需企業を主要な出展者とする武器見本市に、あえて会場を貸し出そうとしているからです。これは、まさに大変な愚行、それどころか暴挙という他ありません。

とりわけ昨年以降のDSEI JAPANは、一昨年末に明確となった日本の防衛戦略の大転換を受けて、新たに危険な性格を帯びつつあります。この戦略転換では、「防衛産業は防衛力そのもの」「競争力のある国内企業が優れた装備品やデジタル技術などを供給できるよう防衛産業に関する課題を総ざらいし、防衛省に関係府省を加えた体制を整えて、より積極的に育成・強化を図っていく」「防衛装備移転三原則および同運用指針などによる制約をできる限り取り除き、日本の優れた装備品などを積極的に他国に移転できるようにするなど防衛産業が行う投資を回収できるように(する)」等々と強調されています。

また同報告は、国のあらゆる仕組みを軍事優先で作り直そうとしており、国民は「国を守る気概」を持つことを求めています。国の財政も信用・金融システムも軍事の要請の下に置かれ、大学や民間企業の科学技術研究も軍事と一体化。多くの港湾・道路・橋などの公共インフラも同様です。地方自治体の役割は住民の福祉と暮らしが本来の役割であるはずですが、そこにも軍事的な要請が大きく入り込もうとしています。DSEI JAPANはこの大きな仕掛けの一部として、そしてガザ戦争のさなかに開催されようとしているのです。

私たちが支持をし、千葉県民が選んだ熊谷知事のもとでの千葉県政が、こうした国による軍事優先政治による地方自治体に対する施策の押し付けに安易に呼応していることを私たちは大変に残念に思います。

以上のことから、私たちは次のことを県当局に要請いたします。

1.武器見本市「DSEI JAPAN」に対し、公共施設である幕張メッセの貸し出しを許可しないでください。

2. 千葉県議会の「非核平和千葉宣言」や県内各市町村の「非核平和都市宣言」に則った平和施策を、教育の場をはじめ県政の各分野で積極的に推進して下さい。

以上

2024年2月16日