2021年度 予算要望書及び政策提案書

2021年度予算要望書および政策提案書
市民ネットワーク千葉県

◆ はじめに ◆

昨年の台風15号、19号、10月25日豪雨による被害の傷跡も未だ生々しく残る中、今年に入っての新型コロナウイルスによる感染症拡大は、私たちの社会生活に大きな影響をあたえ、生活様式そのものが変わりました。マスクの常時着用、感染予防対策など、常に緊張を強いられる生活が依然続いています。

2月末に安倍首相(当時)が突如学校の一斉休校を要請。児童生徒の教育を受ける権利の保障が問われましたが、学校一斉休校がもたらした影響と弊害をしっかりと検証し、今後に生かすことを要望します。

また、コロナ対応では、最前線である保健所の人員増強と、インフルエンザ・コロナ対策として医療機関の体制強化は喫緊の課題です。感染者へのいわれのないバッシングも、不安と恐怖心からくるものであり、PCR検査、抗原検査の拡充で「いつでも、だれでも、何度でも」検査できる社会的検査の早期実現が、安心感につながると考えます。

私たちは、5月連休中に仕事や住まいを失う生活困窮者が増えるという予測の元、生活相談事業を船橋市を拠点にスタートしました。当事者が望む自立した生活ができるよう、住まいの確保を最優先課題として、生活保護申請に同行することにより、現場から生活保護制度の改善を求めて声を上げています。

女性や子どもに関する悲惨な事件が後を絶たず、昨年1月に起こった野田市虐待死事件の記憶がまだ新しい中、またも本年1月、市原市で乳児虐待死が発生してしまいました。生きづらさ、貧富の差、社会のひずみが罪のない子どもたちへ、DV被害者へ、弱きものへと向かっているようです。「子どもの貧困」の解消、若者の居場所づくりなども重要な課題です。

男女平等参画に関しては、女性のあらゆる分野での意思決定過程への参画を更に進めると共に、LGBTについても、性の多様性を認め尊重することが県政に求められています。

命の源である水と大気を守る観点から、水源地に立地する産廃処分場の汚染水漏洩問題の改善を至急県に求めます。更に、県内で計画が進められている巨大メガソーラー建設や、全国各地のCO2削減に逆行する石炭火力発電所の新設、そして原発の再稼働、福島原発事故汚染水の海洋放出に反対します。

本年も、2021年度千葉県予算編成に向けて、市民ネットワーク千葉県は多くの県民とともに創りあげた予算要望書を提出いたします。知事ならびに執行部におかれましては、なにとぞよろしくご協議の上、来年度の予算編成に反映していただきたく、お願い申し上げます。

 

2020年10月14日

市民ネットワーク千葉県 共同代表  伊藤とし子
小室美枝子

自治・行財政改革

【計画行政 その他】

  1. 2021年に新規策定予定「千葉県総合計画」の基本目標である「子どもへの支援」においては、「道徳心」を強調するのではなく、成長の過程での不公平をできるだけ少なくし、こどもの多様性、人権意識を高める方針を前面に出すこと。

【県民参加と情報公開】

  1. 重要施策の決定に際しては、県民が直接意見を述べることのできる場(タウンミーティング)を必ず設置すること。
  2.  条例制定にあたっては、素案公表の際にパブリックコメントを必ず実施すること。
  3.  予算編成過程の情報を公開すること。
  4.  「NPO立県千葉」の理念を復活させ、NPO支援予算を拡充すること。
  5.  情報公開請求において、不開示並びに不存在の際はその理由を明確に示し、行政不服審査請求に対する回答期間を短縮すること。
  6.  県外へ機動隊を派遣する場合は、日報と復命書を作成し、県民に公開すること。

【審議会、検討委員会等】

  1. 委員の選定にあたっては、専門性や技術性が問われる審議会であっても公募による市民枠を設け、一方の性が50%を下らないようにすること。
  2.  広く人材を求め、委員の兼任をやめ任期は5年以内に制限すること。また、議員は除外すること。
  3.  会議の傍聴申込は、周知期間を少なくとも2週間は取り、傍聴者に発言の機会を積極的に与えること。非公開の場合は、2日前までに理由も含め周知を徹底すること。
  4.  審議会後に速やかに議事概要をホームページにアップし、後日、正確な議事録を載せるなど、県民への情報公開を図ること。

【人事・組織】

  1. 内部通報制度を会計年度任用職員も含めて全職員に周知させ、十分に機能させること。また、改正公益通報者保護法に則り、通報者の不利益にならないよう特段の配慮をすること。さらに、不受理の場合はその理由を公表すること。
  2. 県幹部(県警も含む)が利害関係のある団体・企業へ転職することを、全面禁止すること。
  3.  知事特別秘書の業務内容は、知事の公務に関する事のみに限定すること。
  4.  会計年度任用職員に対しては「同一価値労働・同一賃金」の観点から処遇の改善をさらに図ること。また、その改善状況の数値を、毎年開示すること。
  5.  教育庁については、定数内不補充教員の原因を精査し、解消に努めること。

【入札・契約・その他】

  1. 公契約条例の制定をめざし「検討委員会」を立ち上げること。
  2.  県発注工事において引き上げられた設計労務単価が、最終請負人及び労働者の賃上げにつながるよう、具体的な施策を講じること。また、業務委託についても、支払い賃金の実態について調査すること。
  3.  「入札監視委員会」も審議案件を、現行の上半期・下半期それぞれ5件ずつから、それぞれ20件ずつに増やすこと。
  4.  専門性の高い財産取得(高額医療機器や環境管理システム機器など)の高落札率の改善に取り組むこと。
  5.  各部局で行っている入札の仕組みを一元化し、全庁的な入札契約制度改革をさらに進めること。
  6.  公文書の年号は、西暦も併記すること。

危機管理

【防災対策】

  1. 防災分野における女性参画をさらに進め、市町村防災会議における女性委員ゼロの解消に努め、防災コーディネーターの女性比率を一層高めること。
  2. 滋賀県流域治水条例に学び、河川の所管による縦割り行政を廃し、水系と集水域全体を総合的にとらえた治水条例を策定する。
  3.  浸水のリスクが高い地域には福祉施設や学校などを建てないよう、立地規制を行う。
  4.  利根川水系や荒川等の堤防強化を耐越水堤防工法により早急に進めること。
  5.  民間所有の港湾施設の耐震化のための支援制度を創設すること。
  6.  千葉県地域防災計画の風害対策は、気候変動に伴う台風の巨大化には対応できないことが明らかになったことをふまえ、風害対策の全面的な見直しを早急に行うこと。
  7.  仙台市、鳥取県が先行事例となっている「災害ケースマネージメント」導入を、市町村と連携して行うこと。
  8.  地域防災計画に、電源車・発電機の配備態勢を盛り込むこと。

【有事・国民保護法制】

  1. 「国民保護計画」に基づいて毎年行われている市民を巻き込んだ実働訓練の中止を国に求めること。
  2.  国民保護計画に「存立危機事態」が組み込まれるが、同事態では自治体は国民保護の実施主体とはなれない。「保安確保」と「生活関連物資等の安定供給」を司るべき県としての責務を再確認し、地域住民の安全と人権を守る観点から、「国民保護計画」の抜本的見直しを図ること。
  3.  防犯カメラについては、「千葉県安全で安心なまちづくりの促進に関する条例」から独立させ、個人のプライバシー保護を主眼に置いた条例を制定すること。

【原子力・核エネルギー】

  1. 東海村核施設で事故が起こった場合、本県における放射能汚染等の被害は免れない。とりわけ老朽化した被災原発である東海第2原発の再稼働を認めず、即刻の廃炉を求めること。
  2.  原発全ての再稼働の凍結を国に求めること。さらに、運転開始から40年を超える老朽原子炉、BWRマーク1型はすべて廃炉とし、「核燃料サイクル」構想の破綻が明らかとなった現実に鑑み、原子力依存のエネルギー・電力政策からの撤退を国に求めていくこと。
  3.  核施設の事故直後に速やかに住民に配布するためのヨウ素剤の購入及び保管、40歳以下の住民へのヨウ素剤配布体制を早急に整え、住民にその情報を公開すること。また、モニタリング体制を一層強化し、緊急時の住民の避難も含めた被曝低減対策の体制を整えること。
  4.  危険な放射性物質であるプルトニウム燃料が県内の道路を通過するに当たっては国に通過道路の情報公開を求め、県として早急に対策を講じること。
  5.  すでに完工が25回も延期され、安全面・技術面並びに採算性に多くの問題のある六ヶ所核燃再処理工場を即刻閉鎖するよう国に求めること。
  6.  多核種除去設備(ALPS)汚染水について、本県の農水産業に悪影響委を及ぼす海洋や大気中への放出は認めず、技術の確立している地上保管に限定するよう政府にはたらきかけること。

【非核・平和】

  1. 公正性と公平性に著しく欠ける「日米地位協定」の抜本的見直しを国に求めること。アメリカ軍が保有する劣化ウラン弾や化学兵器、生物兵器の県内持ち込み及び移動を禁止すること。
  2.  成田空港など県内の施設の「有事国民保護法」に基づく軍事使用は認めないこと。
  3.  陸自習志野演習場の大型弾薬庫の運用停止、即時撤去を国に求めること。
  4.  陸自木更津基地の米海兵隊及び陸上自衛隊のオスプレイ整備拠点としての機能は、整備状況の異常な遅延等を精査し、当面凍結することを国に要請すること。
  5.  陸自木更津基地への陸自購入オスプレイ17機の暫定配備を中止するよう国に要請すること。
  6.  狭小で住宅地、国道に近接している習志野演習場での降下訓練の速やかな中止と、陸自オスプレイの同演習場を用いた訓練は行わないよう国に求めること。
  7.  陸自「総隊制」移行に伴う、本県下の旧「中央即応集団」隷下3部隊、松戸基地及び下志津基地の陸自ミサイル部隊の新たな部隊運用については、情報公開と住民への説明責任を徹底するよう国に求めること。
  8.  2017年に始まった、習志野基地での「空挺団降下訓練始め」への米軍の参加は、今後完全に中止するよう国に要請すること。

まちづくり

  1. かずさアカデミアパーク内の未利用地に対する土地賃借契約は、早期の収束をめざすこと。
  2.  2021年度からの水需給予測は、実態に即して県独自で行うこと。
  3.  高規格道路(第二東京湾岸道路、外環道、圏央道、北千葉道路)は、三番瀬など貴重な自然環境を破壊する。計画は白紙撤回すること。
  4.  福島原発事故の自主避難者に対しては、市町村とともに実態把握し、公営住宅への優先入居や引っ越し費用補助、小・中学生がいる自主避難者への民間賃貸住宅の家賃支援など、きめ細かな支援に取り組むこと。
  5.  県営住宅における一人親家庭の入居枠を3割以上設けること。
  6.  カジノを解禁するIR法の対象となる施設を千葉県内に誘致しないこと。

福祉・保健・医療

【誰もが安心して暮らせるために】

  1. 中核地域生活支援センターの予算をさらに拡充すること。
  2.  無料低額宿泊施設について①入所者の生活改善のため、施設への抜き打ち検査と利用者の意向調査を実施すること。
    ②施設は一時的な宿泊施設であることから、入居期間は原則3ヶ月とし、利用者の年齢、生活状況等をふまえ、民間アパート等に入居を勧めること。安定した地域生活を送るための支援、就労支援体制の整備,入所者の生活環境の改善、長期入所者に対する働きかけなど、市町村を指導していくこと。
    ③住宅セーフティネット法に基づく住宅確保困難者の受け入れを行うオーナー登録戸数を増やすこと。

【高齢者福祉】

  1. 有料老人ホームに対しては、市町村と連携を図りながら未届有料老人ホームに対する届出指導を徹底し、入居者の安全と適切な処遇の改善を進め、届出施設であることの表示義務を課すこと。
  2.  サービス付き高齢者向け住宅のサービスが適正に行われるよう厳正な指導・監査を行い、結果を公表し、市町村にも情報を通知すること。
  3.  高齢者虐待については市町村への支援を強化し事案終了後も十分な経過観察を行うこと。

【障がいをもつ人の福祉と社会参加について】

  1. 地域によって受けられるサービスに偏りがないよう「医療型児童発達支援センター」が未設置の医療圏域に対しては、人材育成(医師、看護士、リハビリ等)を行い、速やかに設置するよう市町村に強く働きかけること。
  2.  「障害者差別解消法」に基づき、千葉県でも差別の実態を把握し、当事者を交えて障がい者差別禁止計画を策定すること。とりわけ、ジェンダーによる複合差別解消の視点をしっかり入れること。
  3.  2019年3月の「重症心身障害児者」及び「医療的ケア児者」の実態調査報告書に基づき、住み慣れた自治体で、教育・医療・福祉が受けられるよう速やかに支援体制を整えること。

【保健・医療】

  1. 難病法に指定されていない難病に対し、県独自の助成を行うこと。
  2.  重度心身障がい児・者の医療費助成制度に導入した新規自己負担を取りやめること。
  3.  精神障がいを持つ人の医療費助成は、早期に身体・知的障がいを持つ人と同等の充実した内容の実現をはかること。
  4.  緩和ケア病棟をさらに拡充すること。
  5.  在宅医療については、県独自の医療整備を行うこと。
  6.  厚労省が検討中のHPVワクチン当事者、保護者向けリーフレットには医療者向けリーフレットにある学習障害等の多様な副反応情報の記載がなく、ワクチン接種の積極的勧奨を一時中止していることも削除した。正確な情報の提供に努め、副反応被害を未然に防ぐこと。
  7.  乳幼児のワクチン接種による副反応被害を防止するため、副反応被害の情報提供を医療機関レベルで行うこと。
  8.  フッ化物集団洗口については、危険性や副作用に関する情報を積極的に開示し、希望者以外強制しないよう強く市町村に働きかけること。
  9.  看護師・保健師等修学資金の貸付額をさらに拡充すること。
  10.  介護士・看護師が訪問先で受けたセクハラ・パワハラについて、市町村と連携して把握を行うこと。また、兵庫県のような2人以上の職員による訪問サービス提供時の費用の一部補助を県独自で創設すること。
  11.  国民健康保険料を抑制するために、市町村における法定外繰入れを政策的判断として前向きに認めること。
  12.  東千葉メディカルセンターにおける赤字解消に向け、年度計画を見直し、経営改善計画を立て、進捗状況を県民に公開すること。
  13.  保健所の人員と予算を拡充すること。
  14.  コロナ対応のコールセンターは県の直営とし、電話回線を増やし、オペレーターには看護師経験者を配置すること。また、休日診療できる「かかりつけ医等の地域で身近な医療機関」の情報を公表すること。

【県立病院】

  1. 県立千葉リハビリテーションセンターなど県立病院の「利潤優先ではなく、県民の健康を守る」という使命を最優先とし、厚労省が要請する再編・統合議論に対し拙速な結論を出さず、県民参加のもと十分な議論をつくすこと。
  2.  ヒヤリ・ハットが起きないように勤務体制を改め、抜本的な改革を行うこと。
  3.  コロナ対応で減収した県立病院に対して、財政的な支援を行うこと。

環境

【放射能汚染対策】

  1. 県内各市で保管されている指定廃棄物は、民間も含め、量・種類・内容及び形態・保管状況を調査、把握し、その結果をホームページに公表すること。
  2.  8000ベクレル以下の放射性廃棄物の県内発生量と保管量を改めて調査し、公表すること。また、管理型処分場等に持ち込まれた総量についても調査・把握し、公表すること。
  3.  8000ベクレル以下の除染土について、県内公共事業には使用を認めないよう、入札契約に盛り込むこと。

【再生可能エネルギー・省エネの推進】

  1. 県有施設においては、環境配慮契約法に基づき、再生可能エネルギーの利用を高め、省エネの達成数値目標を掲げて積極的に取り組むこと。
  2.  小水力発電、ソーラーシェアリング、太陽熱利用、木質バイオマス等、小規模電力や熱利用の実用化を進めること。「卒Fit電力」の自治体としての活用を、市町村とも連携して早急に検討すること。
  3.  気候変動の現状を踏まえ、全国の自治体で相次いでいる「2050カーボンゼロ宣言」を行い、具体的な行程表の作成を行うこと。

【残土・産業廃棄物・山砂採取・再生土】

  1. 「(仮称)土地利用基本条例」を策定し、残土・産廃処分場、砂利採取事業等は、良好な自然景観の場所、水道水源の保全地区には許可をしないよう立地規制を国に要望すること。また、保全すべき森林、谷津田、里山に対しては、県独自の保全の基準を策定すること。
  2.  千葉県残土条例の適用を厳格化すること。①申請書と異なる排出元、構造違反等に対しては、厳罰を課し、当初計画書どおりに原状回復させること。
    ②残土処分の現場指導に当たっては、不適切な処分を行っている事業者に対し、口頭での改善指導を繰り返すのではなく、文書による指導を徹底し、公表の上速やかな改善を図ること。
  3.  残土条例のさらなる改正をすること。①隣接地権者の同意条項を加え、事業者・土地所有者を連帯保証人とすること。
    ②産業廃棄物最終処分場と同様、残土処分場についても、事業完了後は「地歴」を残し、必要に応じて情報を開示できるようにすること。
    ③建設発生土の移動や処分は、自区内処理、県内処理を原則とし、県外残土の受け入れの要件を厳しくすること。
  4.  残土・産業廃棄物・再生土の無許可埋立防止のため、警察と連携し、厳格に取り締まること。
  5. 残土搬入車両の過積載・違法改造等の取締りを厳格化し、定期的に行うこと。
  6.  産業廃棄物安定型処分場の新設にあたっては、安定型・管理型を問わず、設置規則の厳格化を図るよう国に働きかけること。また、自治体においても、処分場に県の公共関与を進めること。
  7.  山砂採取に関しては国有林、県有林を除外し、環境保全の視点と、資源の有効な管理を明確に盛り込んだ千葉県独自の「砂利採取規制条例」を作成すること。山砂採取場周辺は、地下水系の変化、地盤の隆起など地勢調査を行なうこと。
  8.  「再生土等の適正な埋立て等の確保に関する条例」は、今後「届け出制」から「許可制」とし、また中間処理業者に関する規制と情報開示を進め、厳格に事業者指導を行うことなど条例改正を行うこと。
  9.  条例制定前に、すでに埋立てし環境破壊を起こしている現場に対しては、遡って現条例の罰則規定を適用し指導を厳格化すること。
  10.  問題を起こした産廃処分場に関しては、水質検査等に県も必ず関与すること。
  11.  鋸南町における汚染土壌埋立処理業の申請については、住民の訴えを尊重し、不許可とすること。

【化学物質対策】

  1. すべての県有施設の建物、公園、街路樹などはできるだけ殺虫剤、化学物質を使用しない「総合防除」を導入し管理し、その結果を公表すること。
  2.  学校・幼稚園・保育所等の工事については、シックハウス症候群を未然に防止するため、文部科学省の定めた6物質だけでなく、TVOCをし、その規制値を設けること。防蟻剤(シロアリ防除剤)は自然由来のものを使用すること。
  3.  化学物質過敏症について、個別相談に対応できるよう相談窓口を設置すること。
  4. 幼稚園・保育園・学校などの現場で、平成21年策定の「学校に於けるシックハウス症候群・化学物質過敏症対応マニュアル」の周知・徹底をし、施設ごとに調査し公表すること。
  5.  柔軟剤、制汗剤などによる「香害」被害について、児童・生徒、保護者に周知を徹底し、「香料使用自粛」を求めるポスターを公共施設に掲示すること。

【電磁波対策】

  1. 千葉県として、電磁波問題に対する対策を検討すること。
  2.  今後導入が予定されている「5G」については、健康被害等について県としての調査・研究を行うこと。

【水環境と生物多様性】

  1. 県条例で汲み上げ規制外となっている小口径井戸について、実態調査を行うこと。
  2.  地下水は飲み水として貴重な資源であることを宣言し、「千葉県環境保全条例」 については、地盤沈下2センチ未満が続く地域の地下水揚水規制を見直すこと。
  3.  県環境研究センターでは、地下水くみ上げと地盤沈下との関係を徹底的に追及調査し、公表すること。
  4.  水質の安全を確保するため、水源地における立地規制を行うこと。
  5.  新井総合三期計画の操業許可を撤回すること。
  6.  合併処理浄化槽の法定検査の受検率を全国平均以上に早急に引き上げること。早急に高度処理型合併処理浄化槽に転換できるよう、県独自の充分な財政措置を行うこと。
  7.  PFOS、PFOAの県内汚染状況の調査を行うこと。

【森林・里山 環境保全】

  1. 千葉の山林保全のため、持続的森林経営が期待できる自伐型林業を進めること。
  2.  環境・景観に悪影響を及ぼすメガソーラー事業については、規制の方向で条例等の整備を検討すること。
  3.  複数の自治体にまたがる放置人工林の天然林化を促進するため、県は助言や財源措置など、積極的に支援すること。

【環境教育】

  1. 気候変動、プラスティック海洋汚染等新たな課題も含め、県民が主体的に取り組めるよう、総合的な環境教育に積極的に取り組むこと。

【三番瀬・盤洲干潟】

  1. 千葉県湾岸地区道路検討会において、三番瀬再生計画との整合性をどのように図るのか、具体的な案を早急に作成し、タウンミーティングを開催し県民にその是非を問うこと。

食と農

  1. 有機農業生産者や有機認証をめざす生産者が利用できる公的検査機関を設置すること。
  2.  現業農家の緊急課題である給排水施設の老朽化、更新対策等に予算を厚くすること。
  3.  農薬の空中散布を実施する際には、有人、無人ヘリ、ドローンすべてにおいて、散布除外施設・エリアに飛散しないよう最低でも200メートルの緩衝地帯を設定すること。また、登校にかからないように、夏休みに限定すること。さらに、ドローンに関しては、実施計画を県に提出させ、県は日程等を必ず広報すること。
  4.  生態系に影響を与えるネオニコチノイド系の使用を規制すること。
  5.  千葉県の多様な農産物を育成するため、種苗法による自家増殖禁止指定品目拡大に歯止めをかけ、県として農家の自家採種の権利を守ること。
  6.  ゲノム編集食品の安全性・危険性について、フォーラム開催など、県民に情報提供の機会を設けること。

子ども

【子どもの人権】

  1. 子どもをあらゆる人権侵害から救済し、子どもの人権が十分に守られるように、子ども人権条例や、子どもオンブズパーソン制度を制定すること。
  2.  小学校の間に必ず1回は、こどもが体験できる人権教育プログラム(子どもへの暴力防止プログラムCAPなど)を受けるように市町村教育委員会に働きかけ、財政面も含めて支援をすること。
  3.  千葉県子どもの貧困対策推進計画は、数値目標を盛り込んで改訂し、進捗管理にあたっては、市町村ごとの実施状況を公表すること。また、その成果と課題を毎年、市町村と共有すること。

【社会的養護】

  1. 今後も一時保護所を拡充し環境の整備を進め、一時保護期間の短縮に努めること。また、退所後養護施設に移った子どもの支援を継続し、家に戻った子どもについては市町村とより一層連携を強化すること。
  2.  児童相談所職員向けの研修センターを設け、人材育成に努めること。一時保護所の子どもが十分野外活動できるよう環境を整えること。要対協と一時保護所の連携を密にし、情報共有すること。松戸・鎌ヶ谷、印旛2地区の児童相談所の新設を早めること。
  3.  養育里親など里親制度を市民に広く知ってもらうフォーラムを県内各地で開催し、里親委託率を上げること。レスパイトケアや相談体制を充実させること。
  4.  自立援助ホームに関しては、子どもたちの自立を助けるため、高卒認定試験の受験や大学進学を支援するため、県独自の財政的支援をすること。また、国民健康保険料(税)の減免措置を講ずること。
  5.  養護施設の小規模化・ユニット制を推進すること。

【障がい児への支援】

  1. 就学先の決定は、子ども本人や保護者の意見を尊重し、通常学校を希望する場合、ハードの整備及び人員体制を整え受け入れること。すべての県立学校にエレベーターを設置すること。
  2.  特別支援学校や特別支援学級の職員に限らず、通常学級の職員に対しても、障がい児支援の研修にあたっては、正規教職員同様、非正規教職員にも勤務時間内での参加とし、交通費を含めて支給すること。
  3. 高校入学を希望するすべての子どもが入学できるように、高校の定員内不合格をなくすこと。

【学校教育】

  1. 小中学校全学年を最大30人の学級とし、副担任を配置するなど一人一人に合った学級運営が行えるよう体制を整えること。
  2.  正規職員とすべきところを臨時的任用講師で充当しているいわゆる「定数内欠員補充講師」をなくし、正規職員にすること。少なくとも、始業式に担任が居ないケースは発生させないこと。
  3.  性の情報があふれる中、学年に合わせた性に関する学習の機会を確保すること。命、心や身体を大切にし、人権や自尊心など幅広い学びとなるよう外部の協力を得ながら取り組むこと。
  4.  低年齢での妊娠・中絶・性感染症などが増加している現状から、教員が正しい知識を持って対応ができるように保健師・助産師などの専門家による研修を拡充すること。
  5.  各自治体に1人以上のスクールソーシャルワーカーの配置ができるように市町村への委託事業に切り替えること。また、市・県配置にかかわらず、日常的な情報連携を行い、小・中・高と切れ目ない支援につなげること。
  6.  県立中学の教科書採択にあたっては、事務局の不当な事前絞り込みを行わず、教育委員会採択会議で厳正に行い、議事録も全て公開すること。

【県立高校・私学助成】

  1. 県立高校の施設整備については、学校現場の修繕・改修要望に応えるため、さらに予算を拡充すること。
  2.  「千葉県奨学金制度」の返済にあたっては延滞利息をゼロにし、コロナ禍での滞納の実態把握と救済策を行うこと。さらに給付型奨学金を早急に新設すること。
  3.  定時制高校夜間給食を復活させ、「生徒の健康の保持増進に資するため、適正な夜間学校給食を普及充実する」とする法の趣旨を遵守すること。
  4.  佐倉東高校定時制と佐倉南高校全日制が2022年度に廃止される件について、県教育委員会は両校生と保護者の意見聴取を丁寧に行い、廃止計画の見直しも含め、再検討すること。
  5. 佐倉南高校三部制を実施した場合、夜間部生徒の通学に伴う交通不便と経済的負担にいて詳細に精査し、対応策も含め公表すること。

【図書館】

  1. 県立中央図書館の建て替えにおいて、1館集約後は、西部図書館、東部図書館の今後の在り方について地域住民と十分な協議をすること。
  2.  図書館未設置の市町村への働きかけや学校図書館への支援の充実を図ること。

【教育委員会】

  1. 教育委員会の委員の選任にあたっては、男女同数を基本とし、公募・市民推薦も取り入れ、多様な分野からの登用をすすめること。
  2.  請願や陳情については、教育委員会会議で例外なく審査すること。また、提出者に対し、その案件の取り扱い方法や結果を文書で通知すること。
  3.  月例の教育委員会の前に開かれる教育委員勉強会の議事録を作成公表すること。
  4.  教科書選定に関し、印旛採択地区は9市町と構成団体が多すぎるため2~3分割にし、会議を公開すること。

ジェンダー

  1. .保護にいたったDV被害者について、民間支援団体に直接支援を求めたケースをはじめ、市町村経由、県サポートセンター経由もすべての数を把握すること。
  2.  経済的に厳しい運営状況にある民間シェルターが活動支援補助を受けやすいよう、公募要領の配布期間を十分確保するなどの配慮をすること。
  3.  「若者のためのDV予防セミナー」は、事業総額を増やすこと。
  4.  デートDV実態把握については、広島県や群馬県などの調査手法を参考に検討すること。
  5.  男女共同参画課として女性若年無業者の実態調査を行い、相談窓口を設置すること。「ひきこもり女子会」のようなアウトリーチ型の企画をすること。
  6.  男女共同参画課としてLGBT課題に取り組み、相談窓口を設け、窓口には適切に対応できる人(当事者など)を配置すること。
  7.  国際社会ではLGBTは障害ではないとの認識が一般的である。「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」の解釈指針から性同一性障害の記述を削除すること。
  8.  学校教職員のLGBT研修は、伝達研修ではなく校内研修を必ず実施すること。
  9.  性自認に不安を持つ生徒児童からの相談事例について、二次被害を防ぐために、教育事務所ごとにケーススタディを行うこと。
  10.  男女共同参画センターフェスティバルの事業は、その主旨に資する内容とすること。
  11.  DV防止基本計画の改訂にあたっては、DVの専門家やDV支援を実際に行っている市民団体で構成するDV専門組織をつくること。
  12.  性暴力被害者の支援では、ワンストップ支援事業についての周知を図ること。
  13.  県庁組織でのセクハラ・パワハラ相談は、被害者の人権を尊重し、相談者が不利益を被ることのない対応とすること。
  14.  「妊娠SOS」の相談窓口においては、若年層がより相談しやすいラインを活用すること。

人権

  1. 人権侵害に対し責任をもって解決できる権利擁護機関を早急に設置すること。
  2.  外国人の医療、労働、人身売買など人権の問題について救済する公的機関をつくり、草の根交流を行なうNPOを支援すること。その際、当事者が申し出やすいように不法滞在としての罰則を適用しないこと。
  3. 警察を含むすべての自治体職員、すべての福祉事業職員、学校、その他の公的機関の研修科目に、平和・人権についての研修をさらに拡充すること。
  4.  定住外国人の地方公務員への採用をすすめるため、国籍条項を撤廃すること。
  5.  定住外国人の地方参政権を認めるよう国に求めていくこと。
  6.  幼児教育、公教育、公的行事において、君が代・日の丸の強制を行なわないこと。

千葉県立美術館

  1. 広く県民に意見を募り、千葉県立美術館の独自性を吟味、確立すること。また、コロナ禍が美術館事業に与える影響について、「心を豊かにする文化提供」の観点から、早急に対応を図ること。
  2. 館長には専門家を配置し、魅力ある充実した企画が実施できるようにすること。

美浜区

  1. 美浜にある県有地については、空地の少ない美浜にとって大変貴重であり、高齢化その他社会状況の変化に応じて活用することが望ましい。
    地域住民や利用者の意見を聞き、また、市とも協議しながら今後の方向性を決めること。
  2. 幕張の浜は、県民に親しめるような整備を進めること。
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