〈声明〉イスラエルのガザ侵攻に抗議し、日本政府に対し、パレスチナとイスラエルの平和的共存を実現するよう国際社会に働きかけることを求めます。

イスラエルのガザ侵攻に抗議し、日本政府に対し、パレスチナとイスラエルの平和的共存を実現するよう国際社会に働きかけることを求めます。

10月7日の「イスラム抵抗運動」(以下「ハマース」)によるイスラエルへの軍事攻撃以来、イスラエル軍による「自衛権行使」を名目としたガザ地区への無差別で広範囲な軍事攻撃が続いています。報道によれば、すでにガザ地区の住民1万数千人が死亡したとされ、しかもその半数近くが子どもたちとのことです。無辜なる命とその未来が10分に1つずつ失われていくという現実に戦慄し、心が痛まない日はありません。

 確かにハマースによる攻撃と人質連行は、国際法及び国際人権法に違反し、非難に値する行為です。しかしイスラエル軍によるガザ住民全体に対する執拗で残忍な攻撃も、同じく国際法と国際人道法に違反する戦争犯罪にほかなりません。しかも、イスラエルによりガザ地区の違法な封鎖が開始された2007年から10月7日までの16年間で、5次にわたる紛争と日常的な理不尽な暴力による死者が2千数百名であったことに比べて、今回はひと月あまりで実にその5倍の死者を出しているのです。これはもはや「自衛」の枠を大きく踏み出す「ジェノサイド」と言っても過言ではありません。特に、北部住民110万人への移動の強要と、民間人・民用物を狙った無差別攻撃は、国際人道法の「区別の原則」に反する大問題であり、国連グテーレス事務局長、そしてトゥルク人権高等弁務官がきわめて強くイスラエルを非難しています。

 グテーレス事務局長は、「ハマースによるイスラエルへの攻撃は何もない状況で急に起こったわけではない。パレスチナの人々は56年間、息のつまる占領下に置かれてきたのだ」とも指摘しています。

 全世界でイスラエルの軍事侵攻の停止と即時の停戦が求められる中、10月27日国連総会で、「人道的休戦」を求める決議が121カ国の賛成で決議されました。そして、11月16日には国連安保理が、「ガザ地区での戦闘の緊急かつ長期の人道的休止」ならびに「子どもたちが置かれている状況への対応の必要性」を訴える決議を採択し、それを受けイスラエルとハマースの間の合意を得て、11月24日には4日間の休戦と人質の解放が始まったところです。総会での決議には棄権をしたわが国もこの安保理決議には賛成しています。したがって、この決議の重さは日本も国としての責任をもって担うべきものと考えます。

 私たち市民ネットワーク千葉県は、「地域から平和を」を掲げて30数年にわたって市民活動を続けてきました。「もうこれ以上誰一人も殺させない」の思いから、日本政府に要求します。

 平和憲法を有し、1973年より中東地域との友好的で相互に信頼のある関係を築いてきたわが国においては、この4日間の休戦を恒久的な停戦へと導き、ガザ住民、ひいてはパレスチナ住民とイスラエル住民双方の平和的共存を実現するための有効な交渉を促すよう、誠心誠意国際社会に働きかけてください。

2023年11月25日

市民ネットワーク千葉県
共同代表 川口えみ 伊藤とし子 岩﨑明子