2020年度 予算要望書及び政策提案書

2020年度 予算要望書及び政策提案書

市民ネットワーク千葉県

◆ はじめに ◆

台風15号、19号は本県でも大きな被害が出ました。台風15号では、県としての災害対応が後手に回り、二次被害が起きたことは残念です。2度の台風は千葉県の農林水産業に多大な被害を与え、被害額は10月18日現在約434億円に上ります。暴風雨対策も含め、防災危機管理体制の見直しが喫緊の課題です。

2019年は4月統一地方選挙、続く地方議会選挙、7月の参議院選挙と選挙の年でした。投票率は依然として低く、民主主義の危機は深刻です。参議院選挙では自民党は単独過半数を取れず、改憲勢力は改憲に必要な三分の二に議席が届きませんでした。選挙後に行われた世論調査によれば、安倍政権の下の改憲に反対は56%、賛成は32.2%に過ぎず、改憲に消極的な民意が証明され、むしろ国民の関心事は年金・医療・介護問題や景気・雇用問題であることが明白になりました。

女性や子どもに関する悲惨な事件が後を絶たず、1月に起きた野田市虐待死事件には衝撃が走りましたが、その後も虐待問題は後を絶ちません。また、非正規雇用の増加は国民生活に大きな影響を及ぼしています。来年度から始まる会計年度任用職員制度は、非正規公務員の法制化・恒久化となり、官製ワーキングプア改善とは程遠いものです。さらに、10月から消費税10%がスタートし、低所得者のみならず、県民全体及び地域経済への影響は計り知れません。現代の社会の生きづらさ、貧富の差、社会のひずみが罪のない子どもたちへ、DV被害者へ、弱きものへと向かっているように思えます。

市民ネットワークは、「子どもの貧困」の解消、若者の居場所づくり、高齢者も障がい者も誰もが孤独にならない地域社会づくりを提言してきました。互いの違いを尊重しあうことは、性の多様性を認めあうことでもあります。また、女性のあらゆる分野での意思決定過程への参画を進めることも、行政の大きな役割です。さらに私たちは、命の源である水と大気を守る活動を継続し、県内で計画が進められている巨大メガソーラ建設や、全国各地のCO2削減に逆行する石炭火力発電所の新設に、そして原発の再稼働に反対します。

少子高齢化問題は避けては通れない問題です。だからこそ、減速して生きる方向へと舵を切ることを提案したいと思います。持続可能な社会の実現は、グローバルな課題でもあります。

今回も2020年度千葉県予算編成に向けて、市民ネットワーク千葉県は多くの県民とともに創りあげた予算要望を提出いたします。知事ならびに執行部に於かれましては、なにとぞよろしくご協議の上、来年度の予算編成に反映していただきたく、お願い申し上げます。

2019年11月6日

市民ネットワーク千葉県 共同代表  伊藤とし子
松井かよ子

自治・行財政改革

【計画行政 その他】

  1. 千葉県総合計画の基本目標である「子どもへの支援」においては、「道徳心」を強調するのではなく、成長の過程での不公平をできるだけ少なくし、こどもの多様性、人権意識を高める方針を前面に出すこと。
  2. 県有施設長寿命化計画の推進に当たっては、地元市町村や地域住民に十分な情報提供を行い、協議すること。
  3. 国庫補助金の負担見直し、直轄事業負担金の見直しを、個別事業毎に国に働きかけていくこと。

【県民参加と情報公開】

  1. 重要施策の決定に際しては、県民が直接意見を述べることのできる場(タウンミーティング)を設置し、さらにパブリックコメントの募集期間を延長すること。また、予算編成過程の情報を公開すること。
  2. 「NPO立県千葉」の理念を復活させ、NPO支援予算を拡充すること。
  3. 情報公開請求の手続きを速やかに進め、2週間以内に開示すること。不開示の際はその理由を明確に示し、行政不服審査請求に対する回答期間を短縮すること。また、情報公開の徹底を図るためにも外部有識者による現在の運用の検証を行うこと。
  4. 県外へ機動隊を派遣する場合は、日報と復命書を作成し、県民に公開すること。

【審議会、検討委員会等】

  1. 委員の選定にあたっては、専門性や技術性が問われる審議会であっても公募による市民枠を設け、一方の性が50%を下らないようにすること。
  2. 広く人材を求め、委員の兼任をやめ任期は5年以内に制限すること。また、議員は除外すること。
  3. 会議の傍聴申込は、周知期間を十分に取り、傍聴者に発言の機会を積極的に与えること。非公開の場合は、前日までに理由も含め周知を徹底すること。
  4. 審議会後に速やかに議事概要をホームページにアップし、後日、正確な議事録を載せるなど、県民への情報公開を図ること。

【人事・組織】

  1. 内部通報制度を非正規職員も含めて全職員に周知させ、十分に機能させること。また通報者の不利益にならないよう特段の配慮をすること。また、不受理の場合はその理由を公表すること。
  2. 県幹部(県警も含む)が利害関係のある団体・企業へ転職することを、全面禁止すること。
  3. 知事直属の政策アドバイザーは廃止すること。現アドバイザーについては、詳細な業務報告書の提出・公開を義務づけること。
  4. 非正規職員に対しては「同一価値労働・同一賃金」の観点から処遇の改善をさらに図ること。その改善状況の数値を、毎年開示すること。
  5. 教育庁については、定数内不補充教員の原因を精査し、解消に努めること。
  6. 県庁記者クラブ制度を廃止し、一般市民も利用可能な共同記者会見の場とすること。

【入札・契約・その他】

  1. 公契約条例の制定をめざし「検討委員会」を立ち上げること。
  2. 県発注工事において引き上げられた設計労務単価が、最終請負人及び労働者の賃上げにつながるよう、具体的な施策を講じること。また、業務委託についても、支払い賃金の実態について調査すること。
  3. 随意契約に関しては、削減に努めるとともに、地方自治法施行令第167条の2第1項のうち
  4. 2号に該当する場合、その理由を明記し公開すること。
  5. 低入札価格調査制度については、下請け、孫請けに至るまで労働者の賃金切り下げにつながらないよう契約内容の履行を徹底させ、内部告発や履行違反等の情報があった場合、違反業者名の公開を含めて速やかに対応すること。
  6. 専門性の高い財産取得(高額医療機器や環境管理システム機器など)の高落札率の改善に取り組むこと。
  7. 各部局で行っている入札の仕組みを一元化し、全庁的な入札契約制度改革をさらに進めること。
  8. 公文書の年号は、西暦も併記すること。

危機管理

【防災対策】

  1. 防災分野における女性参画をさらに進め、市町村防災会議における女性委員ゼロの解消、消防団員や防災コーディネーターの女性比率を一層高めること。
  2. 集中豪雨等による内水氾濫を防ぐために、排水機場のポンプの整備など総合治水対策を庁内横断的に進めること。
  3. 利根川・荒川の堤防強化を早急に進めるよう国に求めること。
  4. 民間所有の港湾施設の耐震化のための支援制度を創設すること。
  5. 千葉県地域防災計画は地震対策に偏っており、暴風対策は台風15号・19号レベルでは対応できないことが明らかになった。送電施設などの強度の基準を引き上げるなど、暴風対策を全面的に見直すこと。
  6. 災害時の防災情報システムについて、市町村の入力待ちという現在の運用方法を見直し、速やかに県内の被災状況を把握できるよう改善すること。
  7. 損壊屋根のブルーシート張り専門集団を養成し、他県とも支援協力すること。
  8. 県内の電源車、発電機の保有台数や保管場所を把握確認し、災害時には市町村が効率よく利用できるシステムを作ること。
  9. 倒木で電線が損壊する可能性がある箇所を洗い出し、適切な処理をすること。
  10. 東京電力と「災害時における停電復旧作業の連携等に関する協定」を結び、樹木や土砂等の障害物の除去等の作業に関し対応を取り決めて、長期停電を回避すること。
  11. 台風15号による長期停電の原因を徹底的に検証し、停電が長期化しないよう、東電と共に、実効性ある対策を講じること。
  12. 発災時、速やかにヘリコプタ―による情報収集に努め、状況把握し適切な対応を行うこと。また、ドローンにより上空からの情報収集、画像分析を行い対策が講じられるよう、関係機関と連携を図ること。

【有事・国民保護法制】

  1. 「国民保護計画」に基づいて毎年行われている市民を巻き込んだ実働訓練の中止を国に求めること。
  2. 国民保護計画に「存立危機事態」が組み込まれるが、同事態では自治体は国民保護の実施主体とはなれない。「保安確保」と「生活関連物資等の安定供給」を司るべき県としての責務を再確認し、地域住民の安全と人権を守る観点から、「国民保護計画」の抜本的見直しを図ること。
  3. 防犯カメラについては、「千葉県安全で安心なまちづくりの促進に関する条例」から独立させ、個人のプライバシー保護を主眼に置いた条例を制定すること。

【原子力・核エネルギー】

  1. 東海村核施設で事故が起こった場合、本県における放射能汚染等の被害は免れない。とりわけ老朽化した被災原発である東海第2原発の再稼働を認めず、即刻の廃炉を求めること。
  2. 原発全ての再稼働の凍結を国に求めること。さらに、運転開始から40年を超える老朽原子炉、BWRマーク1型はすべて廃炉とし、「核燃料サイクル」構想の破綻が明らかとなった現実に鑑み、原子力依存のエネルギー・電力政策からの撤退を国に求めていくこと。
  3. 核施設の事故直後に速やかに住民に配布するためのヨウ素剤の購入及び保管、40歳以下の住民へのヨウ素剤配布体制を早急に整え、住民にその情報を公開すること。また、モニタリング体制
  4. を一層強化し、緊急時の住民の避難も含めた被曝低減対策の体制を整えること。
  5. 危険な放射性物質であるプルトニウム燃料が県内の道路を通過するに当たっては国に通過道路の情報公開を求め、県として早急に対策を講じること。
  6. ガラス固化プロセスをはじめ、多くの問題のある六ヶ所核燃再処理工場を即刻閉鎖するよう国に求めること。

【非核・平和】

  1. アメリカ軍が保有する劣化ウラン弾や化学兵器、生物兵器の県内持ち込み及び移動を禁止すること。
  2. 成田空港など県内の施設の「有事国民保護法」に基づく軍事使用は認めないこと。
  3. 陸自習志野演習場の大型弾薬庫の運用停止、即時撤去を国に求めること。
  4. 陸自木更津基地の米海兵隊及び陸上自衛隊のMV-22オスプレイ整備拠点としての機能は、整備状況の異常な遅延等を精査し、当面凍結することを国に要請すること。
  5. 陸自木更津基地への陸自購入オスプレイ17機の暫定配備先指定は、完全撤回するよう国に要請すること。
  6. 狭小で住宅地、国道に近接している習志野演習場での降下訓練の速やかな中止を国に求めること。
  7. 陸自「総隊制」移行に伴う、本県下の旧「中央即応集団」隷下3部隊、松戸基地及び下志津基地の陸自ミサイル部隊の新たな部隊運用については、情報公開と住民への説明責任を徹底するよう国に求めること。
  8. 2017年、2018年、2019年と連続して行われた、習志野基地での「空挺団降下訓練始め」への米軍の参加は、今後完全に中止するよう国に要請すること。

まちづくり

  1. かずさアカデミアパーク内の未.利用地に対する土地賃借契約は、早期の収束をめざすこと。
  2. 水需給推計は実態に即して行い、過大な見積もりをやめること。
  3. 高規格道路(第二東京湾岸道路、外環道、圏央道、北千葉道路)は、三番瀬など貴重な自然環境を破壊する。計画は白紙撤回すること。
  4. 福島原発事故の自主避難者に対しては、市町村とともに実態把握し、公営住宅への優先入居や引っ越し費用補助、小・中学生がいる自主避難者への民間賃貸住宅の家賃支援など、きめ細かな支援に取り組むこと。
  5. 県営住宅における母子家庭の入居枠を3割以上設けること。
  6. カジノを解禁するIR法の対象となる施設を千葉県内に誘致しないこと。

福祉・保健・医療

【誰もが安心して暮らせるために】

  1. 中核地域生活支援センターの予算をさらに拡充すること。
  2. 無料低額宿泊施設について

①施設への抜き打ち検査と利用者の意向調査を実施すること。
②施設は一時的な宿泊施設であることから、利用者の年齢、生活状況等をふまえ、民間アパート等に入居させ、安定した地域生活が送れるよう支援し、入所者の生活環境の改善と就労支援体制及び長期入所者に対して、市町村を指導していく。
③住宅セーフティネット法に基づく住宅確保困難者を受け入れを行うオーナー登録戸数を増やす。

【高齢者福祉】

  1. 有料老人ホームに対する届出等の指導を強化し、入所者の処遇改善に努め、調査結果を公表すること。また、届け出施設であることの表示義務を課すこと。
  2. サービス付き高齢者向け住宅のサービスが適正に行われるよう厳正な指導・監査を行い、結果を公表し、市町村にも情報を通知すること。
  3. 高齢者虐待については市町村への支援を強化し事案終了後も十分な経過観察を行うこと。
  4. 高齢者による交通事故を防止するため、免許返納の相談にいつでも応じられるよう警察の体制を整備すること。

【障がいをもつ人の福祉と社会参加について】

  1. 地域によって受けられるサービスに偏りがないよう「医療型児童発達支援センター」が未設置の医療圏域に対しては、人材育成(医師、看護士、リハビリ等)を行い、速やかに設置するよう
  2. 市町村に強く働きかけること。
  3. 「障害者差別解消法」に基づき、千葉県でも差別の実態を把握し、当事者を交えて障がい者差別禁止計画を策定すること。とりわけ、ジェンダーによる複合差別解消の視点をしっかり入れること。
  4. 2019年3月の「重症心身障害児者」及び「医療的ケア児者」の実態調査報告書に基づき、住み慣れた自治体で、教育・医療・福祉が受けられるよう支援体制を整えること。

【保健・医療】

  1. 難病法に指定されていない難病に対し、県独自の助成を行うこと。
  2. 重度心身障がい児・者の医療費助成制度に導入した新規自己負担を取りやめること。
  3. 精神障がいを持つ人の医療費助成は、早期に身体・知的障がいを持つ人と同等の充実した内容の実現をはかること。
  4. 緩和ケア病棟を拡充するとともに、在宅医療の体制整備に向けての事業を拡充すること。
  5. 子宮頸がんワクチンの当事者と保護者向けリーフレットに医療者向けリーフレットにある学習障害等の副反応情報とアレルギーの忌避事項を盛り込み、情報提供に努めること。
  6. 乳幼児のワクチン接種による副反応被害を防止するため、副反応被害の情報提供を医療機関レベルで行うこと。
  7. フッ化物集団洗口については、危険性や副作用に関する情報を積極的に開示し、希望者以外強制しないよう強く市町村に働きかけること。
  8. 看護師・保健師等修学資金の貸付額をさらに拡充すること。
  9. 介護士・看護師が訪問先で受けたセクハラ・パワハラについて、市町村と連携して把握を行うこと。また、兵庫県のように県独自の助成制度を創設すること。
  10. 国民健康保険料を抑制するために、市町村における法定外繰入れを政策的判断として前向きに認めること。
  11. 国際医療福祉大学成田病院開設にあたっては、「国際医療福祉大学医学部の開設等に関する協定書」内容の履行を求め、記録文書に残すこと。また、地域医療における同病院の役割分担や他医療機関との連携体制について、県が主導的立場から進めること。
  12. 東千葉メディカルセンターにおける赤字解消に向け、経営改善計画を立て、進捗状況を県民に公開すること。
  13. 移行期医療については、こども病院と千葉大病院の連携をすすめること。

【県立病院】

  1. 県千葉リハビリテーションセンターなど県立病院の「利潤優先ではなく、県民の健康を守る」という使命を最優先とし、厚労省が要請する再編・統合議論に対し拙速な結論を出さず、県民参加のもと十分な議論をつくすこと。
  2. 事故調査委員会に外部委員を入れ、勤務体制を改め、抜本的な改革を行うこと。アクシデント件数を減らすよう根本的な解消に努める。
  3. こども病院、千葉リハビリテーションセンター、県がんセンターにおいて、医師や検査機器などの連携や共同利用をすすめること。

環境

【放射能汚染対策】

  1. 既存原発の再稼働や新規の原発輸出等は取りやめ、原発即時ゼロ社会をめざすよう国に働きかけること。
  2. 指定廃棄物最終処分場候補地選定に関する市町村長会議の結果や内容、また県としてのこれまでの対応や今後の考え方をホームページ等で公表すること。またすでに県外に持ち出されたものがあれば、調査し公表すること。
  3. 県内各市で保管されている指定廃棄物は、民間も含め、量・種類・内容及び形態・保管状況を調査、把握し、その結果をホームページに公表すること。
  4. 8000ベクレル以下の放射性廃棄物の県内発生量と保管量を改めて調査し、公表すること。また、管理型処分場等に持ち込まれた総量についても調査・把握し、公表すること。
  5. 8000ベクレル以下の除染土について、県内公共事業には使用を認めないよう、入札契約に盛り込むこと。

【再生可能エネルギー・省エネの推進】

  1. 県有施設においては、再生可能エネルギーの利用を高め、省エネの達成数値目標を掲げて積極的に取り組むこと。
  2. 小水力発電、ソーラーシェアリング、太陽熱利用、木質バイオマス等、小規模電力や熱利用の実用化を進めること

【残土・産業廃棄物・山砂採取・再生土】

  1. 「(仮称)土地利用基本条例」を策定し、残土・産廃処分場、砂利採取事業等は、良好な自然景観の場所、水道水源の保全地区には許可をしないよう立地規制を国に要望すること。また、保全すべき森林、谷津田、里山に対しては、県独自の保全の基準を策定すること。
  2. 千葉県残土条例の適用を厳格化すること。
    ①申請書と異なる排出元、構造違反等に対しては、迅速に厳罰化し、当初計画書どおりに原状回復させること。
    ②残土処分の現場指導に当たっては、不適切な処分を行っている事業者に対し、口頭での改善指導を繰り返すのではなく、文書による指導を徹底し、速やかな改善を図ること。
    ③条例改正時の趣旨を十分に汲み、従来の処分場に隣接またはその上に土を重ねるような事業計画に対しては許可を与えないこと。
  3. 残土条例のさらなる改正をすること。
    ①隣接地権者の同意条項を加え、事業者・土地所有者を連帯保証人とすること。
    ②産業廃棄物最終処分場と同様、残土処分場についても、事業完了後は「地歴」を残し、必要に応じて情報を開示できるようにすること。
    ③建設発生土の移動や処分は、自区内処理、県内処理を原則とし、県外残土の受け入れの要件を厳しくすること。
  4. 残土・産業廃棄物再生土の無許可埋立防止のため、警察と連携し厳罰化の検討も含め、厳格に取り締まること。
  5. 残土搬入車両の過積載・違法改造等の取締りを厳格化し、定期的に行うこと。
  6. 産業廃棄物安定型処分場の新設にあたっては、安定型・管理型を問わず、設置規則の厳格化を図るよう国に働きかけること。また、自治体においても、処分場に県の公共関与を進めること。
  7. 山砂採取に関しては国有林、県有林を除外し、環境保全の視点と、資源の有効な管理を明確に盛り込んだ千葉県独自の「砂利採取規制条例」を作成すること。山砂採取場周辺は、地下水系の変化、地盤の隆起など地勢調査を行なうこと。
  8. 「再生土等の適正な埋立て等の確保に関する条例」は、今後「届け出制」から「許可制」とし、また中間処理業者に関する規制と情報開示を進め、厳格に事業者指導を行うことなど条例改正を行うこと。
  9. 条例制定前に、すでに埋立てし環境破壊を起こしている現場に対しては、遡って現条例の罰則規定を適用し指導を厳格化すること。
  10. 再生土壌撤去部分の埋め戻しは、場外からの山砂・建設残土に限ること。
  11. 鋸南町における汚染土壌埋立処理業の申請については、住民の訴えを尊重し、不許可とすること。

【化学物質対策】

  1. 県有施設の建物、公園、街路樹などはできるだけ殺虫剤、化学物質を使用しない「総合防除」を導入し管理すること。そのため「総合防除指針・マニュアル策定」のための庁内担当課を決定し、責任をもって取り組むこと。
  2. 毎年、県有施設の「総合防除による管理」結果を公表すること。
  3. 農薬使用にあたっては、引き続き業者に国の通知「公園・街路等病害虫・雑草管理マニュアル」「住宅地等における農薬使用について」周知徹底させること。
  4. 学校・幼稚園・保育所等の工事については、シックハウス症候群を未然に防止するため、文部科学省の定めた6物質だけでなく、TVOCをし、その規制値を設けること。防蟻剤(シロアリ防除剤)は自然由来のものを使用すること。
  5. 化学物質過敏症や電磁波過敏症の相談に当たっては県設置の「アレルギー相談センター」において個別相談に対応できるよう、医療機関のリストを作成すること。
  6. 幼稚園・保育園・学校などの現場で、平成21年策定の「学校に於けるシックハウス症候群・化学物質過敏症対応マニュアル」の周知・徹底をし、施設ごとに調査し公表すること。

【電磁波対策】

  1. 千葉県として、電磁波問題に対する対策を検討する部署を設けること。
  2. 子どもの位置確認のためのGPSシステム利用、キッズ携帯はプライバシーを侵害するばかりでなく、白血病など電磁波の危険性があることを広く通知すること。

【水環境と生物多様性】

  1. 県条例で汲み上げ規制外となっている小口径井戸について、実態調査を行うこと。
  2. 地下水は飲み水として貴重な資源であることを宣言し、「千葉県環境保全条例」については、地盤沈下2センチ未満が続く地域の地下水揚水規制を見直すこと。
  3. 県環境研究センターでは、地下水くみ上げと地盤沈下との関係を徹底的に追及調査し、公表すること。
  4. 水質の安全を確保するため、水源地における立地規制を行うこと。
  5. 新井総合三期計画の許可を撤回すること。
  6. 合併処理浄化槽の法定検査の受検率を全国平均以上に早急に引き上げること。早急に高度処理型合併処理浄化槽に転換できるよう、県独自の充分な財政措置を行うこと。

【森林・里山 環境保全】

  1. 災害防止の視点から千葉県の保安林の指定を積極的に進めること。
  2. 林地開発による残地森林の天然広葉樹林の管理を徹底するよう指導に力を入れること。
  3. 鴨川で計画されているメガソーラー発電所は、森林破壊による災害増加の懸念もあり、また生物多様性保全の視点からも重大な環境破壊につながることから建設を許可しないこと。
  4. メガソーラー事業では、将来世代に負担を残さないよう、終了した跡地対策については住民の声を十分に汲み取り、行政指導を行うこと。
  5. 複数の自治体にまたがる放置人工林の天然林化を促進するため、県は助言や財源措置など、積極的に支援すること。

【環境教育】

  1. 地球温暖化を防止するため、県民が主体的に取り組めるよう、森林学習をはじめ環境教育に積極的に取り組むこと。
  2. 放置人工林を、天然広葉樹林に転換するよう財政措置し、市町村への指導を強化すること。

【三番瀬・盤洲干潟】

  1. 盤洲干潟は、関係者と話し合いを深め、自然保護区として残すこと。
  2. 三番瀬がラムサール条約登録湿地として認定されるよう第二湾岸計画を撤回すること。

食と農

  1. 有機農業生産者や有機認証をめざす生産者が利用できる公的検査機関を設置すること。
  2. 現業農家の緊急課題である給排水施設の老朽化、更新対策等に予算を厚くすること。
  3. 農薬の空中散布については、有人、無人ヘリにかかわらず、実施に際しては、散布除外施設・エリアに飛散しないよう最低でも200メートルの緩衝地帯を設定すること。また、登校にかからないように、夏休みに限定すること。
  4. ミツバチ等生態系に影響を与えるネオニコチノイド系の使用を規制すること。
  5. 種子法廃止後も、地域で大切に守ってきた主要農作物種子を、市場にゆだねることなく今後も県の役割として大切に保存し、千葉の風土に適した種子を農家に安価に提供し続けるため県条例を策定すること。
  6. 千葉県の多様な農産物を育成するため、種苗法による自家増殖禁止指定品目拡大に歯止めをかけ、県として農家の自家採種の権利を守ること。
  7. ゲノム編集食品の安全性・危険性について、フォーラム開催など、県民に情報提供の機会を設けること。

子ども

【子どもの人権】

  1. 子どもをあらゆる人権侵害から救済し、子どもの人権が十分に守られるように、子ども人権条例や、子どもオンブズパーソン制度を制定すること。
  2. セクハラなどの人権侵害が起きた場合、学校を通さず相談できる第三者機関を県として作ること。
  3. 小学校の間に必ず1回は、こどもが体験できる人権教育プログラム(子どもへの暴力防止プログラムCAPなど)を受けるように市町村教育委員会に働きかけ、財政面も含めて支援をすること。
  4. 現在8市で行われているひとり親家庭の生活支援事業の実施をさらに増やすこと。
  5. 千葉県子どもの貧困対策推進計画の次期見直しにあたっては、沖縄県を参考にして子どもたちの生活実態を調査し、進捗管理にあたっては、市町村ごとの実施状況を公表すること。また、その成果と課題を毎年、市町村と共有すること。
  6. 市町村の学習支援事業に対し、財政的措置制度を設けること。

【社会的養護】

  1. 今後も一時保護所を拡充し環境の整備を進め、一時保護期間の短縮に努めること。また、退所後養護施設に移った子どもの支援を継続し、家に戻った子どもについては市町村とより一層連携を強化すること。
  2. 中核市への児童相談所の設置を働きかけ、人的、財政的に支援すること。
  3. こども病院が拠点となっている「児童虐待防止医療ネットワーク事業」を活用し、各児童相談所との連携をはかり、防止体制を整備するよう地域の医療機関に働きかけること。
  4. 養育里親など里親制度を市民に広く知ってもらうフォーラムを開催し、里親委託率を上げること。児童相談所に里親支援の専従班をつくり、レスパイトケアや相談体制を充実させること。
  5. 自立援助ホームを更に促進するために、運営実態を把握し、国基準に上乗せした千葉県独自の財政的支援をすること。
  6. 被虐待児の家庭復帰を適切に進めるため、家庭生活支援相談員を拡充すること。

【若者の生きづらさ支援】

「妊娠SOS」の相談窓口においては、より若年齢に繋がりやすいよう、ラインを活用した相談体制を構築すること。

【放射能被曝対策】

千葉県地域防災計画に安定ヨウ素剤の事前配布、予防服用体制の整備を盛り込むこと。

【障がい児への支援】

  1. 就学先の決定は、子ども本人や保護者の意見を尊重し、通常学校を希望する場合、ハードの整備及び人員体制を整え受け入れること。
  2. 特別支援学校や特別支援学級の職員に限らず、通常学級の職員に対しても、障がい児支援の研修にあたっては、正規教職員同様、非正規教職員にも勤務時間内での参加とし、交通費を含めて支給すること。
  3. 高校入学を希望するすべての子どもが入学できるように、高校の定員内不合格をなくすこと。

【学校教育】

  1. 小中学校全学年を35人学級にすること。
  2. 正規職員とすべきところを臨時的任用講師で充当しているいわゆる「定数内欠員補充講師」をなくし、正規職員にすること。少なくとも、始業式に担任が居ないケースは発生させないこと。
  3. 低年齢での妊娠・中絶・性感染症などが増加している現状から、教員が正しい知識を持って対応ができるように保健師・助産師などの専門家による研修を拡充すること。
  4. 各自治体に1人以上のスクールソーシャルワーカーの配置ができるように市町村への委託事業に切り替えること。また、市・県配置にかかわらず、日常的な情報連携を行い、小・中・高と切れ目ない支援につなげること。
  5. 県立中学の教科書採択にあたっては、教育長の専決事項とせず、選定手続き及び教育委員会会議を公開すること。

【県立高校・私学助成】

  1. 県立高校の施設整備については、学校現場の修繕・改修要望に応えるため、さらに予算を拡充すること。
  2. 「千葉県奨学金制度」は延滞利息をゼロにし、給付型奨学金を新設すること。
  3. 定時制高校夜間給食「試行的廃止」を中止し、「生徒の健康の保持増進に資するため、適正な夜間学校給食を普及充実する」とする法の趣旨を遵守すること。
  4. 県立高校入試選抜については、いわゆる「事前リスト」廃止をはじめ、公平・公正性を担保すること。
  5. 佐倉東高校定時制と佐倉南高校全日制が2022年度に廃止される件について、県教育委員会は両校生と保護者の意見聴取を丁寧に行い、廃止計画の見直しも含め、再検討すること。
  6. 佐倉南高校三部制を実施した場合、夜間部生徒の通学に伴う交通不便と経済的負担にいて詳細に精査し、対応策も含め公表すること。

【図書館】

  1. 県立中央図書館の建て替えにおいて、1館集約後は、西部図書館、東部図書館の今後の在り方について地域住民と十分な協議をすること。
  2. 図書館未設置の市町村への働きかけや学校図書館への支援の充実を図ること。

【教育委員会】

  1. 教育委員会の委員の選任にあたっては、男女同数を基本とし、公募・市民推薦も取り入れ、多様な分野からの登用をすすめること。
  2. 請願や陳情については、教育委員会会議で例外なく審査すること。また、提出者に対し、その案件の取り扱い方法や結果を文書で通知すること。
  3. 月例の教育委員会の前に開かれる教育委員勉強会の議事録を作成公表すること。
  4. 教科書選定に関し、印旛採択地区は9市町と構成団体が多すぎるため2~3分割にし、会議を公開すること。

ジェンダー

  1. 保護にいたったDV被害者について、民間支援団体に直接支援を求めたケースをはじめ、市町村経由、県サポートセンター経由もすべての数を把握すること。
  2. 民間シェルター利用者も、県センター利用者と同じレベルの支援を受けられるようにすること。
  3. 「若者のためのDV予防セミナー」は3年間で一度は受けることができるよう回数を増やすこと。
  4. 高校生のデートDV実態把握のため、セミナー実施後のアンケートとは別に、実態がわかるような質問項目を加えた調査を実施すること。
  5. 地域若者サポートステーションでは女性相談者数が少ないことを踏まえ、男女共同参画課として女性若年無業者の相談窓口を設置すること。
  6. 男女共同参画課としてLGBT課題に取り組み、相談窓口を設け、窓口には適切に対応できる人(当事者など)を配置すること。
  7. 教育現場でのLGBT対応充実のための学校教職員の研修実施にあたっては、研修対象者を広げるとともに、生徒からの相談事例の共有など実践的な研修を行うこと。
  8. 性自認に不安を持つ生徒児童からの相談や性の多様性についての事例など、教職員の体験を調査し、カンファレンスなどで情報共有すること。
  9. 男女共同参画センターフェスティバルの開催にあたっては、市民団体との連携を強化して行うこと。
  10. 男女共同参画推進懇話会のDV専門部会における、DV支援の専門性をあげること。
  11. 政治分野における男女共同参画推進法にのっとり、女性議員が少ない千葉県の現状を県民に広く報せるとともに、女性議員が増えるための環境整備をすること。
  12. 新たに予算措置される「児童虐待防止対応コーディネーター(仮称)」の配置など、DV対応と児童虐待対応との連携を強化すること。
  13. 性暴力被害者ワンストップ支援については、「性暴力被害支援センターちさと」が中心となって相談を受けていることを踏まえ、十分な予算を確保すること。また、CVSの性暴力被害者対応では専門性を高める研修を行うこと。
  14. 県庁組織でのセクハラ・パワハラ相談については、ジェンダー課題であるとの認識を持ち、男女共同参画課が実態を把握すること。また働く環境の改善につながるよう、以下の2点を要望する。
    ・相談しやすい窓口を外部組織に設置すること。
    ・相談内容を受け、労働環境が改善するような仕組みを整えること。
  15. 良質な住居環境の確保は母子世帯の自立の第一歩であるとの認識に立ち、住宅セーフティネット制度を充実させること。

人権

  1. 人権侵害に対し責任をもって解決できる権利擁護機関を早急に設置すること。
  2. 外国人の医療、労働、人身売買など人権の問題について救済する公的機関をつくり、草の根交流を行なうNPOを支援すること。その際、当事者が申し出やすいように不法滞在としての罰則を適用しないこと。
  3. 警察を含むすべての自治体職員、すべての福祉事業職員、学校、その他の公的機関の研修科目に、平和・人権についての研修をさらに拡充すること。
  4. 定住外国人の地方公務員への採用をすすめるため、国籍条項を撤廃すること。
  5. 定住外国人の地方参政権を認めるよう国に求めていくこと。
  6. 幼児教育、公教育、公的行事において、君が代・日の丸の強制を行なわないこと。

千葉県立美術館

  1. 専門家にも加わっていただき、千葉県立美術館の独自性を吟味、確立すること。
  2. 館長には専門家を配置し、充実した企画が実施できるよう一定期間の任期を与えること。
  3. 委託業務においては、それぞれの職務内容ごとに適切な研修を行い、その成果を確認すること。
  4. 千葉市美術館や千葉市科学館など市内の関連施設や、ポートタワー・ポートパークなどの県立の近隣施設などとコラボレーションして、来館者を増やすよう工夫すること。
  5. 企画展や特別展の実施にあたっては、広報に努力・工夫すること。
  6. 駐車場は美術館利用者に限定すること。

美浜区

  1. 美浜区にある県有地については、地域住民や利用者の意見を聞き、また、市とも協議しながら今後の方向性を決めること。
  2. 救急医療センター跡地については、千葉市から申し入れがあれば利用について相談に応じること。