〈要望書〉千葉県に対し、県内の小中高校の臨時休校に伴う諸課題を早急に解決するよう求めます。

市民ネットワーク千葉県は、「千葉県に対し、県内の小中高校の臨時休校に伴う諸課題を早急に解決するよう求める」要望書を提出しました。
千葉県へ臨時休校に伴う諸課題に対する要望書(知事)

 


千葉県に対し、県内の小中高校の臨時休校に伴う諸課題を
早急に解決するよう求めます。
 

新型コロナウィルスの感染が国内で拡大する中、2月27日安倍晋三首相は、3月2日から全国全ての小・中学校、高校などについて、春休みまで臨時休校とするよう要請しました。これを受けて千葉県は、「一斉ではなく、準備の整った学校から順次休校する」という方針を決め、県立の学校や市町村に伝えました。県内の自治体は調整・準備する時間がほとんどないまま、多くの学校が現在休校を実施しています。しかし、休校が始まった途端、子どものいる家庭ではさまざまな問題が噴出しています。

特別支援学校に通う子どもたちは、慣れ親しんだ学校の環境から突然断ち切られることから受けるダメージが、普通学校の子どもたちよりも深刻です。また、医療的ケアを受けるなど、常時見守りが必要な子どもの保護者にとって、一斉休校の負担は非常に大きいと言えます。閉ざされた家庭の中で、子どもへの虐待が起こる危険性もあります。さらに、寄宿舎を利用する子どもたちにとって、生活訓練の場は重要ですが、その場も突然絶たれてしまいました。

千葉市ではこのような問題点を考慮して、千葉市立特別支援学校を通常どおり開校しています。県立特別支援学校も同様に開校すべきと考えます。

また、学童保育では、通常13時から勤務する指導員が、朝8時~夜7時までの勤務となり、臨時のアルバイトの指導もしなくてはならず、数日間で既に大変な状況になっています。子どもたちが過密状態で過ごす危険性も解決していません。

一方、政府は小中高校の臨時休校を受けて仕事を休む保護者の収入補償や、業績悪化で従業員を休業させた企業への助成金など、支援策を相次いで打ち出しましたが、複雑な制度から漏れるケースも多く、生活困窮に陥る家庭の増大が心配されます。

以上のことから、千葉県に対し以下の項目を実施するよう強く求めます。

 

1.千葉県立特別支援学校を、通常開校とすること。
2.県内の学童保育の状況を至急調査し、市町村に対し、指導員とアルバイト増配への財政支援を行うこと。
3.臨時休校により経済的損失を受けた家庭への「休業補償」を、より一層きめ細かく充実させるよう国に求めること。
4.経済的打撃による生活困窮などの相談体制を拡充し、生活保護や生活福祉資金貸付制度の活用を促進するよう、市町村に周知徹底すること。
5.休校及び再開については、地方自治の本旨に則り、県立学校は各校の状況に応じて柔軟に対処し、小中学校は、各自治体の首長と教育委員会の判断を優先させること。

2020年3月6日
市民ネットワーク千葉県
共同代表  伊藤とし子  小室美枝子