〈要請文〉8 月 26 日の陸上自衛隊オスプレイの飛行訓練中止を求める要請

内閣総理大臣 菅義偉殿
防衛大臣 岸信夫殿
陸上幕僚長 吉田圭秀殿
陸上総隊司令官 前田忠男殿
木更津駐屯地司令 更谷光二殿

 8 月 18 日、北関東防衛局より千葉県に伝えられたところによれば、8 月 26 日に、木更津基地に暫定配備中の陸上自衛隊所属のオスプレイ V-22 7 機のうち 1 機が、館山基地と百里基地への飛行訓練を行うとのことです。
 すでに 7 月の段階で、この 2 基地と東富士演習場を使った V-22 の訓練を 8 月より開始の予定と連絡されており、いよいよ陸自オスプレイの本格的訓練が開始されることになります。

 しかし、一昨年の陸自オスプレイの木更津暫定配備を巡る木更津市、千葉県、防衛省の間でのやり取り では、いくつもの安全性等にかかわる問題点のほとんどが、住民による十分な納得に至らないままです。 また、袖ケ浦市、君津市、市原市、加えて習志野演習場を抱える船橋市、習志野市、八千代市の市長より 提出されている「地元住民に対する説明会の開催」等の要請に対し、一年以上が経過する現在に至るも、 防衛省は一切の対応をしていません。

 さらに、今回の訓練に関する情報提供についても、配備先である地元木更津市には全く情報提供がなさ れず、県に対しても初回以降の訓練については事前の情報提供はしないとのことです。
 オスプレイは、試作段階から様々な欠陥が指摘され、実際の運用が開始されてからも、墜落を含む事故 を重ねています。乗組員の生命も多数失われてきました。沖縄配備の海兵隊 MV-22 も、墜落事故 1 回、空母への着艦訓練中の大破(3 名死亡)、その他不時着等の事故は数知れません。直近では、8 月 12 日、21 時 30 分という夜間訓練中に 1.8 キロものパネルを落下させましたが、そのパネルは発見されていません。事故原因の究明もされていないにもかかわらず、翌日より MV-22 は通常通りの訓練を続けています。

 陸上自衛隊にとって、V-22   オスプレイは完全な新機種です。軍用機に限らず、あらゆる機械類は運用初期の事故・トラブルが多いのは常識です。上述の重大事故が起きた直後にもかかわらず、同型機であるV-22 の訓練を、地元自治体と住民への説明責任も十全に果たさないまま強行するなど、言語道断です。

 私たち市民ネットワーク千葉県は、2012 年の普天間基地への海兵隊オスプレイの配備強行以来、一貫して「欠陥機」オスプレイの配備 ・ 運用に反対してきました。地元である木更津基地への陸自 V-22 の暫定配備にも、繰り返し抗議をしています。26 日の初訓練以降、月数回の頻度で様々な訓練を行い、その後はさらに訓練範囲を広げていくとのことです。私たちの頭上を危険きわまりないオスプレイが飛行することの 恐怖はもとより、地方自治を蔑ろにして強行される日米軍事一体化の象徴としてのオスプレイの木更津配 備・運用に対して、「地域から平和をつくる」活動を続けてきた地域政党として強く抗議します。

・26 日の陸自オスプレイ V-22 の飛行訓練を中止してください。
・沖縄での MV-22 のパネル落下事故の原因究明を、米軍側に強く要請してください。
・完全な安全性、運用の透明性の確保、関係する自治体と住民すべての合意形成がなされることを、V-22 運用の前提とすることを確約してください。

2021 年 8 月 24 日

市民ネットワーク千葉県       
共同代表           伊藤とし子
小室美枝子