〈声明〉強い殺傷能力を有する兵器の「輸出解禁」の白紙撤回を求めます。

強い殺傷能力を有する兵器の「輸出解禁」の白紙撤回を求める声明文

強い殺傷能力を有する兵器の「輸出解禁」の白紙撤回を求めます。

 政府・与党は、3月26日武器輸出ルールである「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定し、殺傷能力のきわめて高い次期戦闘機(日英伊共同開発)の第三国への輸出を解禁しました。昨年12月に続く今回の抜本的改定は、日本国憲法の平和主義の理念と明らかに矛盾します。日本の安全保障政策の根幹を破壊するものとして、許容することはできません。

 また、今回の改定は、9閣僚が参加する国家安全保障会議(NSC)と閣議のみという政府・与党の密室協議で決められており、これほどまで重要な問題であるにも関わらず、国会の関与は全くありません。閣議決定文書によると、今後も同様の案件について国会の関与を排除することになります。

 一方、岸田首相は国会答弁で「三つの限定と二重の閣議決定という厳格な決定プロセスを経る」と主張しました。しかし「限定」のうちの「輸出対象を次期戦闘機に限定する」は、新たな輸出対象案件が生じたら、そのつど与党協議を開いていくらでも「追記」ができることになっています。閣議決定も原則不要です。また「現に戦闘が行われている国は除外する」も、かねてより懸念されている「時間軸の課題」の解決は不可能です。「輸出先は『防衛装備品・技術移転協定』等の締結国に限定」も、従来の原則そのままであり、現在15カ国の締結国も今後増えることは確実視されています。「二重の閣議決定」は、上述の通り国会を完全に無視し、与党のみでの密室協議を行うための内部手続きに過ぎません。「歯止め」とは到底言えず、自民党が目論んでいる武器輸出の対象限定完全廃止に向けての第一歩だと危惧されます。

 以上の理由から、市民ネットワーク千葉県は、日本国憲法の基本理念を根本から覆そうとする今回の次期戦闘機輸出解禁の白紙撤回を求めます。

2024年4月8日

市民ネットワーク千葉県共同代表
川口 えみ
小室美枝子