〈声明〉国連女性差別撤廃委員会への資金拠出停止に抗議し、撤回を求める声明
国連女性差別撤廃委員会への資金拠出停止に抗議し、撤回を求めます
日本政府が国連人権高等弁務官事務所に対して出している拠出金の使途から、女性差別撤廃委員会を除外すると国連に伝えたことに、強く抗議し撤回を求めます。これまで女性差別撤廃委員会は、女性に対するあらゆる分野の差別について、数多くの勧告を行ってきました。
民法改正(婚姻年齢、再婚禁止期間等)や刑法改正(性交同意年齢等)などは法改正が行われ、また度重なる勧告を受けていた選択的夫婦別姓は、ようやく前向きな議論が始まろうとしています。一方で選択議定書の批准のようにまったく進展しない勧告もあります。
外務省が今回の拠出停止の理由とした皇室典範改正については、女性・女系天皇に賛成の世論が増えつつあり、遠からぬ将来、国民的議論となることも予想されます。
このように、女性差別撤廃委員会の勧告をどのように実施するのかは、あくまで締約国自身の判断であることは自明です。女性差別撤廃条約の締結以降、その実施状況に関する日本報告、その審査、そして勧告という手続きを踏みながら、日本のジェンダー平等政策は着実に前進してきました。
今回、日本政府が行った、勧告事項への抗議としての報復的な拠出金停止は、この建設的対話を否定するものです。さらにはジェンダー後進国日本が「対話ではなく金銭による圧力をかける」というメッセージを全世界に発信したことにほかなりません。
女性差別撤廃条約締結から40年がたち、条約の実現に向けた積極的な取り組みが求められます。政府はただちに拠出金停止を撤回し、ジェンダー平等政策を推進することをあらためて求めます。
2025年2月12日
市民ネットワーク千葉県
共同代表 川口えみ 小室美枝子