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■■ \\ 県政情報 2022.11.18/ ■■
■ 県議 伊藤とし子のメールマガジン No.58 ■
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: 健康保険証が無くなる?マイナ保険証の問題点
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「12月末までにマイナンバーカードを申請すると、最大2万円分のマイナポイントがもらえます!」総務省、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)からこんな封書が来ていませんか?
6月末に始まった「マイナポイント第2弾」。
マイナンバーカードを作れば5千ポイント、健康保険証の利用申し込みで7,500ポイント、公金受取口座の登録完了で7,500ポイントの予算は総額1兆8千億円。
それでも交付率が5割にしか行かなかったため、10月28日、突如、河野デジタル相は現行の健康保険証を2024年秋には廃止して、マイナンバーカードと一体化すると発表しました。これは、現行保険証の廃止を打ち出して不安をあおり、カード交付率を一挙に上げようと狙ったものです。
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: 利用者の負担の増えるマイナ保険証
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現行の保険証なら月に1度の窓口提示だけですみますが、マイナ保険証では毎回、患者本人がカードリーダーで顔認証をし、タッチパネル操作を行わなければなりません。医療機関の負担やトラブルも増えます。
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: 医療機関でも混乱が
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現在、マイナ保険証で受診できる医療機関は3割に過ぎません。
それには「オンライン資格確認等システム」を導入しなければなりません。
小規模な病院、高齢化や閉院を予定している病院からは、これを機会に閉院を検討したい、という声が日々上がっています。
結局、地域医療の崩壊となって、私たちにしわ寄せが来ます。
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: 責任を取らないデジタル庁
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大災害や大規模システム障害、セキュリティ事故などで、オンライン資格確認等システムが使えなくなれば大混乱に陥ります。
10月末、大阪急性期・総合医療センターが身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」のサイバー攻撃で機能不全に陥り、完全復旧は来年1月とのことです。
地域の救急救命の重要な医療機関が電子カルテも使えず、新規患者も診れず、大問題になっていました。
また、情報流出も懸念されます。
ところが、マイナポータルの「利用規約 免責事項」には「損害が出ても国は一切の責任を負わない」と明記されています。すべて「自己責任」となります。
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: マイナンバーカード 持ち歩いてもいいの?
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マイナンバーカードは個人情報の塊です。
そのため、法律で特別な管理が義務付けられています。
カードは本人の申請により「任意」で交付されます。
マイナ保険証になれば、常時携帯することになります。
紛失・盗難などのトラブルが増え、個人情報流出や詐欺グループによる被害のリスクなども格段に増えます。
現に、自治体からのマイナンバー情報流出は、度々起こっています。
番号で個人が丸裸になり、勝手にプロファイリングされ、個人情報が独り歩きしてしまいます。
実際にamazonやfacebookなどSNSで自分に合った広告が入ってくるのは、情報集約が行われているからです。
そのマイナンバー版となれば、鉄壁の情報源となります。
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: 全国医療情報プラットホームって?
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6月に突然国が発表した「全国医療情報プラットホーム」。
マイナ保険証で受診した人のすべての医療情報を医師、薬剤師だけでなく自治体、介護事業者などが共有・交換できる全国的なプラットフォームを創設するというものです。
医療機関では、患者は医師に必要と思われる病歴や症状を取捨選択して伝えます。
これは自己情報コントロール権と言って、基本的人権の一つです。
医師はカルテに記載しますが、これがプラットフォームで共有化されると、すべての医療機関にすべての医療情報が明らかになってしまいます。
一生涯の病歴がすべて明らかになることは、丸裸にされるようなものです。
しかも、民間事業者も使う事ができる、とあるのです。
これがマイナ保険証の本質です。
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: 目標は顔認証システム
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マイナ保険証を国民全員に持たせれば、顔認証と街角の防犯カメラとで、国民の一挙手一投足を監視する社会が出来上がります。
最終目標は、カードではなく顔認証ですべて情報を管理する社会です。
現に、中国ではビッグデータを駆使した「デジタル情報社会」で世界の最先端を行っています。現金を持たず、全て電子決済やインターネット利用で、個人の行動範囲や好みなどの情報が集められ、ビックデータとなっています。
デジタル保険証はそんな監視社会への第1歩です。
「書かない番号・持たないカード」が一番安全、安心です。